【全自治体リスト】新潟県内は“6割の自治体”が消滅!? “消滅可能性自治体”に18市町村が該当「この先私の街は…」

2050年までに新潟県内の6割の自治体が消滅するかもしれない…そんな衝撃的なデータが示された。有識者で構成される人口戦略会議が4月24日、全国の消滅可能性自治体を公表。県内は18市町村が該当した。その中で今回、新たに該当したのが阿賀野市。25日に新市長が初登庁し、さっそく人口減対策に意気込みを語った。

4月25日、阿賀野市役所に初登庁したのは加藤博幸新市長だ。

21日に投開票された阿賀野市長選挙で、新人や元職の3人の候補を破り、初当選を果たした加藤新市長。職員への訓示では、「情勢の変化を自ら把握し、先を見据えた事業・政策の展開を意識することが必要だ」と話した。

阿賀野市 加藤博幸 新市長

阿賀野市 加藤博幸 新市長

「“市政”の“せい”は政でなく、市が生きていると書いて“市生”とも言える。阿賀野市という人生を共に紡ぎ、次の世代につなげてまいりましょう」

しかし、こうした「次の世代につなぐ」という目標は早くも課題に直面している。

“消滅可能性自治体”に新たに追加

24日、都内で開かれたシンポジウム。有識者で構成される人口戦略会議が発表したのが「消滅可能性自治体」だ。

これは2050年までに子どもを産む中心となる20代~30代の女性が半減し、最終的に消滅する可能性があると分析された自治体のことで、全国744の自治体が該当した。

新潟県内では、村上市や十日町市など18の市町村が該当。前回から柏崎市・新発田市・刈羽村が外れた一方、小千谷市・糸魚川市、そして阿賀野市も今回新たに追加された。

「そこまでとは…」“消滅の可能性”に地元は危機感を再認識

阿賀野市の中心部にある商店街では25日、ところどころシャッターが閉まっている様子が見られた。

阿賀野市

阿賀野市

阿賀野市

また、車通りはある一方、商店街を歩く人はまばらで、若い世代の姿はほとんどなかった。

「消滅の可能性がある」と示されたことに、阿賀野市民からは「え!そこまでとは知らなかった。活気がない。本当に活気がない。新市長に頑張ってほしいけど、限度がある気が私はしている。予算がないから新市長は頭が痛いと思う」

「消滅となると、なかなかね。そこまでは考えたことはない。子どもが少ない。新市長には消滅しないように頑張ってほしい」などの声が聞かれた。

一方、結果を受けて、人口減少について危機感を再認識する人もみられた。「昔、水原町(現在の阿賀野市)は“商人の街”と言った。近くにスーパーもあったが、そこも閉まってしまって車に乗らなければ行けない。この先どうなるんだろう…」

「特効薬はない」今後の対策は…

人口戦略会議は地域の実情に応じて出生率向上などの「自然減対策」と人口流出の是正などの「社会減対策」を適切に組み合わることが必要だと指摘している。

就任早々、加藤新市長は課題を突きつけられる形となった。

加藤博幸新市長は「人口減少は今に始まったことではなく、かなり以前から問題だった。それに触れようとしてこなかった、分かっていながら行動に移せなかったことは反省しつつ、あるべき姿を集約して街づくりに反映させていきたい」と話した。

対策への意欲を示す一方、加藤新市長は「特効薬はない」とも話す。

「国あるいは県が行う施策を含めて、市にとって何が・どの対策が効果的なのか確認を行いつつ、若い世代や保護者の声を聞きながら、阿賀野市版の人口減少対策・保育教育一環体制を総合的に体系立てていきたい」

「自立持続可能性のある自治体」は一つもなかった新潟県。

花角知事も人口減少対策を政策の柱に据えているが、市町村との連携を含め県内全域での人口減対策は急務だ。

≪人口戦略会議の発表内容≫※新潟県30市町村中

【消滅可能性自治体】18市町村
小千谷市、加茂市、十日町市、村上市、糸魚川市、妙高市、五泉市、阿賀野市、佐渡市、魚沼市、胎内市、田上町、阿賀町、出雲崎町、湯沢町、津南町、関川村、粟島浦村

【自然減・社会減対策が必要】9市
新潟市、長岡市、三条市、柏崎市、新発田市、見附市、燕市、上越市、南魚沼市

【社会減対策が必要】3町村
聖籠町、弥彦村、刈羽村