海の中に入ったような錯覚を覚える巨大水槽。愛らしいペンギンたちの姿。そして、驚きのイルカショー。上越市立水族博物館「うみがたり」は、訪れる人々を魅了する海の世界が広がっています。今回、バズタイムズディレクターの小越春花さんが、この不思議な海の世界を探訪しました。
小越さんの「うみがたり」との特別な縁
取材に先立ち、小越さんは「うみがたり」との特別な思い出を語ってくれました。
「実は以前、家族でプライベートで遊びに来たことがあって、その時にめちゃくちゃ感動したんです。普段は引きこもりがちなんですけど、プライベートで遠出したというレアな場所なんです」
小越さんにとって「うみがたり」は、単なる取材先ではなく、心に残る思い出の場所。その特別な思いを胸に、今回の取材に臨みました。
日本海の縮図!圧巻の「うみがたり大水槽」
「うみがたり」の目玉は、なんといっても3階にある「うみがたり大水槽」です。この水槽、ただ大きいだけではありません。飼育スタッフの鈴木さんによると、水槽の形状には秘密が隠されているのです。
「この水槽は、新潟県が面する日本海の海岸線をそのまま表現しているんです。左手には能登半島があり、中央には佐渡島の形をした岩があります」
まるで日本海の中に飛び込んだかのような錯覚を覚えます。水槽には約35,000尾、30種類もの魚が泳いでいます。イワシの群れ、イサキの群れ、そして新潟の海の名物であるコブダイまで。自然界では弱肉強食の関係にある魚たちも、ここでは平和に共存しています。
「もちろん自然界では弱肉強食なので、小さい魚は大きい魚に襲われてしまったりもするんですけど、極力それがないように飼育員たちは餌をどの魚にも行き渡るように与えています」と鈴木さん。
新種発見!? 「うみがたり」が誇る小さな宝物
水族館の中でも、特に鈴木さんが熱を込めて紹介してくれたのが、サクラダンゴウオという小さな魚でした。
「当館イチオシの魚がいるので、紹介してもいいですか?」
拡大鏡を覗くと、そこには小さな魚がコクンコクンとうなずいているように見えます。
「こちらサクラダンゴウオという魚です。近年になってこのサクラダンゴウオが新種だっていう風に分かってきたんです。当館で繁殖がうまくいって、おそらく日本の水族館の中でうみがたりが最初じゃないかなと思ってるんです」
鈴木さんの目が輝きます。新種の発見と繁殖成功。それは水族館にとって、まさに宝物と言えるでしょう。
ペンギンとアザラシ、愛らしい姿に心癒される
「うみがたり」では、魚だけでなく、ペンギンやアザラシなど、愛らしい動物たちにも出会えます。
マゼランペンギンのコーナーでは、ちょうど繁殖期を迎えていました。巣穴の中では、ペンギンたちが卵を温めたり、既に孵化したヒナの世話をしたりしています。
「ペンギンも好奇心旺盛なんですよね。人間がいると、近づいてくる子もいるんです」と鈴木さん。
確かに、取材陣に興味津々の様子で近づいてくるペンギンの姿が。遠目から見るとツルツルした印象ですが、近くで見ると羽毛の質感がはっきりと分かります。
一方、アザラシコーナーでは、世代を超えた出会いがありました。
「この子がですね、3月で1歳になったフタバといいます。女の子です。そして手前にいる大きな子、この子がですねジロウという、今おじいちゃんアザラシなんですけど、国内でも最高齢、一番お年を召しているアザラシです」
なんと、ジロウは41歳。人間で言えば100歳を超える高齢です。若いフタバと年老いたジロウ。その対比が、生命の不思議さを感じさせます。
イルカたちが魅せる、驚きのパフォーマンス
「うみがたり」の魅力は水槽の中だけではありません。イルカたちによるドルフィンパフォーマンスも、訪れる人々を魅了しています。
イルカショーの会場の下には、イルカたちを下から見上げることができる特別なスペースがあります。ショーの合間、イルカたちがゆったりと休憩する姿を間近で見ることができるのです。
小越さんは、イルカショーに心を打たれた様子でこう語ります。
「本当に、イルカさんたちがすごいパフォーマンスをしてくれて、なんかこう本当に私の人生の糧となる日というか…」
何を言っているのかはよく分かりませんがとても感動したようでした。
海の生き物たちとの出会いが、心に残る思い出に
「うみがたり」での体験を通じて、小越さんは海の生き物たちの美しさや強さに心を打たれたと語ります。
「久しぶりに水族館にお邪魔したというのもあって、もう海の生き物たちの美しさとか、なんか強さとかにとても心が打たれました」
そして、小越さんは最後にこんな言葉を残しました。