
春本番を迎え、畑では農作物を植える時期となりましたが、サルなどによる被害には注意が必要です。GPSを活用してサルの生息域や行動範囲の情報発信をしている新潟県長岡市では、より安定的に情報を受信するためGPSの基地局を新設しました。
山間部の多い長岡市栃尾地区で2013年ごろから毎年発生しているのが、サルによる農作物被害です。
【地域住民】
「ほとんどやられる。ジャガイモ・ナス・トマト。(Q.畑をやめる人も?)いっぱいいる。もう、何作ってもサルにやられるから」
2023年度の長岡市の鳥獣による被害額約2650万円のうち、サルによる被害は131万4000円ですが、家庭菜園などの被害についてはあまり報告が上がらないため、実際の被害額はさらに膨らむとみられています。
こうした被害を減らそうと4月21日、新たに設置されたのが、サルの位置情報を自動で認識できるGPSの基地局です。
【記者リポート】
「こちらはサルの首輪についているGPSを受信する機械で、このサイトに反映され、サルの位置情報が分かるといいます」
長岡市では2016年度からサル対策として捕獲したサルにGPSのついた首輪をつけてサルの群れの滞在場所や行動経路を把握し、地域住民に情報を提供。
サルのGPS情報はこれまで地元住民が自ら地域を歩き、専用のアンテナを使って位置情報を収集していましたが、この基地局ができたことで、全自動でより安定的にGPS情報を収集できるようになるといいます。
【長岡市の担当者】
「山間部の多い栃尾では、一部受信環境の影響で情報の更新頻度が滞ることもあった。そうした課題克服のためにこの基地局を設置した」
【地域住民】
「サルが少なくなって、被害が少しでも少なくなればいいけど」
今後は地域住民の協力と基地局、どちらも活用してGPS情報を収集する方針で、担当者は「有効なワナの設置場所の検討などにも活用してほしい」としています。
最終更新日:Mon, 21 Apr 2025 18:44:52 +0900