
コメの高騰が社会問題化する中、毎年、稲に被害をもたらしているのがイノシシなどの動物です。こうした鳥獣被害を減らすためにも農家などが参加して狩猟免許を取得するための講習会が開かれました。
6月8日、新潟県十日町市で行われたのは、狩猟免許の取得を希望する農家などを対象にした講習会です。
より多くの人に狩猟免許を取得してもらおうと、JA魚沼と地元の猟友会が毎年講習会を開催。参加者は猟銃の扱いやワナの設置方法など実際の試験で課される課題を学びます。
【参加者】
「地域によくクマやイノシシ、害獣が出るので(農地などを)守りたいと思い来た」
これからの時期、十日町市内では鳥獣による農作物の被害が多く発生し、去年は十日町市内だけで1000万円ほどの被害が出ています。
さらに、十日町市では地域の高齢化が進み、狩猟免許を取得している105人のうち60歳以上が7割を占めていて、有事の際、すぐに活動できる人材が不足しているのが現状です。
【県猟友会 池田富夫 会長】
「『イノシシが出た。お願いします』と言われても誰も行けないというのが現状」
今後も懸念される農作物への被害。参加者から多く聞かれたのはコメへの被害の不安です。
【参加者】
「稲が穂を出すと、すぐ食べる。イノシシが集団で。(田んぼの周りに)網をかけてみたが、それを無理やり引きちぎる。ハクビシンは力があるのでやられた」
自らもコメを生産しているJA魚沼の大嶋友吉さんが案内してくれたのは、周囲を木々に囲まれた山間にある田んぼ。
【JA魚沼 大嶋友吉さん】
「山間部の条件が悪いところは自分の田んぼを自分で守らなければならず、狩猟免許を取得する人がいる」
こうした山間にある田んぼでは鳥獣による被害が避けづらいと言います。
【JA魚沼 大嶋友吉さん】
「稲に体をこすりつけ、のたうち回る。稲に臭いがついて、乾燥調整しても異臭や動物臭がして食べるには厳しいものになる」
コメの高騰が社会問題化する中、稲を守り、コメを消費者に届けるためにも大嶋さんは狩猟免許取得する若者を増やしたいと考えています。
【JA魚沼 大嶋友吉さん】
「若手からどんどんと(免許の取得を)やってもらえるような環境づくりができれば」
県内の次回の狩猟免許の試験は7月5日に行われる予定です。
最終更新日:Mon, 09 Jun 2025 18:33:21 +0900