

8月末から9月にかけて、新潟県新発田市や五泉市などのダムで相次いでいるのは避雷針の盗難被害です。地域の住民の安全を守る施設で相次ぐ盗難に、施設を管理する県は窃盗行為をやめるよう呼びかけています。
「柱の先に約3mの避雷針があり、その避雷針が盗まれた。その避雷針のほか、沿わせてあった約12mの導線が盗まれた」
窃盗被害にあった新発田市にある内の倉ダムの島潟警報局。
8月28日、約10mの高さにある長さ約3mの避雷針とそこにつながる約12mの避雷導線が盗まれているのが発見されました。
河川の警報局は周辺の住民にとって重要な施設です。
【新発田地域振興局地域整備部 池田智浩 副部長】
「ダムの放流によって河川水が急激に上昇する際に、サイレンで警報を出して、河川から退避してもらう機能を持っている。河川の沿線に住んでいる方にとって非常に重要な施設」
このほかにも、県内では8月26日から28日にかけて、ダムや農業用水などを取水するための堰・頭首工で警報局や水位局の避雷針や避雷導線などが盗まれているのが確認されています。
県がその後、調査を実施したところ、村上市・胎内市・新発田市のダムや頭首工、合わせて15か所で盗難被害が判明。
さらに9月12日には五泉市の早出川ダムでも3か所で盗難被害が確認されるなど被害が相次いでいます。
【新発田地域振興局地域整備部 池田智浩 副部長】
「ダムの警報局は現時点で正常に機能している。ただ、今後、落雷によって警報局が損傷する可能性があるので、速やかな復旧に取り組んでいきたい」
県は警察に被害を届け出ていて、警察が盗難事件として捜査を進めていますが、再発防止対策も進めています。
【記者リポート】
「こちらは被害を受けていない避雷施設です。こちらでは人が上ったりできないように、下のほうにある足場が取り外されました」
県はこのほか、警察にパトロール強化を依頼しているということです。
9月16日までに県内18カ所で確認されている避雷針などの盗難被害。すべての盗難箇所の復旧には700万円以上の費用がかかる見込みです。
【新発田地域振興局地域整備部 池田智浩 副部長】
「ダムの警報局は河川の沿線の皆様にダム放流の情報を伝える非常に重要な施設。したがって、窃盗行為は絶対にやめてもらいたい」