日本一長い山岳トンネル『関越トンネル』の裏側に潜入! 普段は入れない場所に驚きの連続!?

普段は入ることができないインフラの内部に入り、非日常感や巨大な建造物のダイナミックさなどを楽しめる「インフラツーリズム」。今回は、新潟と関東を結ぶ日本最長の山岳道路トンネル「関越トンネル」の見学ツアーに密着した。

裏側へ潜入! おいしい湧き水も!?

齋藤正昂アナウンサー:
新緑が美しい新潟県湯沢町。こちらが青地に白のしま模様の縁取りの「関越トンネル」です。これから内部を巡るツアーが開催されます

関越トンネル

関越トンネル

新潟県と関東を結ぶ関越自動車道の「関越トンネル」。

全長は約11kmで、山岳道路トンネルとしては日本一の長さを誇る。その見学ツアーが開催された。

全長約11kmの関越トンネル

全長約11kmの関越トンネル

車に乗り込み、普段は入ることができない緊急用の避難トンネルから潜入開始!

齋藤正昂アナウンサー:
だいぶ空気がひんやりとしてきました。そして照明も間隔を置いて設置されていて、異世界のような雰囲気を感じ、ワクワクします

緊急用の避難トンネル

緊急用の避難トンネル

車に揺られること約15分。ここからは自らの足で関越トンネルの裏側を探索していく。

歩き始めてすぐのところで見つけたのは、勢いよく水がわき出るパイプ。

ツアーガイド 青木翼さん:
「谷川の6年水」という名前がついている

実はこれ、関越トンネルが貫く谷川山系に降った雪が約6年かけて浸透した湧き水。なんと、毎分18トンもの量がわき出ていて、コーヒーやお茶にぴったりの軟水だ。

齋藤正昂アナウンサー:
ふだん飲んでいる水道水よりも、舌ざわりがまろやかな感じがします

参加者:
まろやかで冷たくておいしい。土が培ってきたミネラルを十分に感じられる水

関越トンネル“唯一の仕組み”とは?

次に訪れたのは、トンネル内の照明などを制御する電気室。

電気室

電気室

関越トンネルには、日本で唯一関越トンネルにしかない電気系統の仕組みがある。この仕組みがないとトンネル内が真っ暗になってしまう可能性もあると言うことだが…

NEXCO東日本 総合企画部広報課 田辺豪樹 課長:
通常、一つの施設に一つの電力会社から電力をいただくのが基本。だけど、関越トンネルは上下線とも走行車線は東京電力の電力を、追い越し車線の照明設備は東北電力の電力をいただいている。もし、片一方の電力供給が滞っても、もう片方の電力会社からの電気で照明が消えないように、真っ暗にならないようにしている

正解は「2つの電力会社を利用している」

正解は「2つの電力会社を利用している」

そして、隣の部屋には…

齋藤正昂アナウンサー:
大きなトンネルとあって、換気設備がかなり大きいですね

換気設備を見学

換気設備を見学

トンネル内に排気ガスが滞留しないよう、直径3mの巨大な換気装置が。

換気装置

換気装置

その後は、外からの空気を取り込む風洞へ。

風洞

風洞

最後は180mの階段に挑戦!

300mほど歩くと、トンネルの内側と外側の空気の交換を行う立坑に到着。

ここでツアーはクライマックスを迎える。

ツアーガイド 青木翼さん:
地上までが180m。そして立坑の長さが30mあるので、だいたい200mほどの高さ。これから皆さん、あの高さまで実際に登っていただきます

普段はメンテナンスを行う職員が使用する400段以上のらせん状の階段を上り、立坑の頂上を目指す。

180mの階段を上り地上へ

180mの階段を上り地上へ

齋藤正昂アナウンサー:
階段の一段一段もかなり高さがあってハードですし、階段の幅も人一人がようやく通れるくらいで、結構上るのは大変ですね

上り始めて数分で弱音を吐く25歳の齋藤アナウンサー。

齋藤正昂アナウンサー:
まだ90m…、半分。エレベーターがほしいですね。下をのぞくと、底が見えませんね。怖い

参加者:
いやー、つらい。日頃の運動不足が…

参加者同士で励ましあいながら上り続けること30分あまり。

齋藤正昂アナウンサー:
緑が見えます!ようやくたどり着きました。ここが関越トンネルの立坑ですね

頑張ったご褒美は、頂上に広がる谷川山系の大自然!

階段を上った先に広がる景色

階段を上った先に広がる景色

参加者:
空気もよくて、すごくいい。雨が降ってなくてよかった

参加者:
すごいところにトンネルを造っている。これを昔の人が掘ったのはすごい

巨大なインフラを築いた先人の努力に思いをはせたところで、上った階段を今度は下り、最後にトンネルの入り口で記念撮影をして約3時間半にわたるツアーは終了。

参加者:
本当に職員の方しか入れないところに入れるというのが魅力

参加者:
普段通っているところだけど、本当に色んな方々の努力の結果、安全も確保されているし、すごいなと思った

参加者は関越トンネルの裏側に迫り、普段利用するインフラのありがたさを実感していた。