なぜ?開放の釣り場あるのに…立入禁止区域に入る“釣り人” 転落事故発生も「それなりの注意はしている」

新潟県上越市で5月上旬、立ち入り禁止区域の埠頭で釣りをしていた男性が海に転落する事故があった。

近くに解放されている釣り場があるにも関わらず、立ち入り禁止区域で釣りをする理由とは…現場を取材した。

転落事故発生も… 禁止区域に釣り人

記者リポート:
こちらの埠頭、関係者以外立ち入り禁止のエリアなのですが、2組の釣り人の姿が見えます

上越市の直江津港で釣りを楽しむ2人。そのすぐ後ろには「釣り人立ち入り禁止」の文字が。

直江津港の立ち入り禁止区域

新潟県上越地域振興局 職員:
釣り人は立ち入り禁止。ここでは釣り禁止だから、とりあえず出てもらって

直江津港では開放されている釣り場以外での釣りは禁止となっている。

上越地域振興局の職員

(Q.禁止は知らなかった?)
禁止区域の釣り人:

前はここで釣れていたと思う

禁止区域の釣り人:
しょっちゅう今まで来ていた。事故があったことは知っているし、それなりの注意はしている

「注意している」と話す一方で…

上越海上保安署 江口英雄 次長:
何かの拍子で海のほうに落ちた。水面から結構高さがあり、人間の力では上がることができない

上越海上保安署 江口英雄 次長

この立ち入り禁止区域では5月4日、長野県から来ていた70代の男性が釣り中に高さ2mの岸壁から海へ転落する事故が発生したばかり。

立ち入り禁止区域で転落事故

男性はその後、救助されてケガはなかったが、一歩間違えれば、命の危険も…

上越海上保安署 江口英雄 次長:
船をつけるために岸壁がつくられている。マリンレジャーのためではないということをご承知いただきたい

柵を立てるなどの規制を厳しくする方法もあるが、港を管理する新潟県の担当者は…

上越地域振興局直江津港湾事務所 玉井宣雄 次長:
一律にフェンスで囲うということは、普段の利便性の観点から色々支障もある。当然、予算の面など制約もあるので、そこまでできない

上越地域振興局直江津港湾事務所 玉井宣雄 次長

漁など業務で使う船が近くにあり、物理的な規制をかけることは難しいという。

釣り人が禁止区域に入る理由

近くに開放されている釣り場があるにも関わらず、なぜ立ち入り禁止区域で釣りをするのだろうか…

(Q.有料の釣り場は知っている?)
禁止区域の釣り人:

知っている

(Q.なぜ利用しない?)
禁止区域の釣り人:

人がいっぱいで

(Q.有料の釣り場は知っている?)
禁止区域の釣り人:

知っている

(Q.なぜ利用しない?)
禁止区域の釣り人:

混んでいて

(Q.有料の釣り場を利用しない理由)
禁止区域の釣り人:

混んでいて、入れない

何とも身勝手な理由で立ち入り禁止区域に入る釣り人たち。

上越地域振興局直江津港湾事務所 玉井宜雄 次長:
管理人が開放しているときは必ず常駐している。ライフジャケットの着用を義務づけていて、様々な面で安全対策を施して開放している。直江津で釣りをするという場合は、開放釣り場をご利用いただきたい

決められた場所で釣りを楽しむ人も多く見られた直江津港。釣り人のモラルが問われている。