新潟は他県・全国と異なる動き
5月8日に感染症法上の分類が5類に引き下げられた「新型コロナウイルス」。
新潟県内では、第8波のピーク時に43.11人だった定点当たりの報告数は減少し続け、5類移行後は増減を繰り返しながら6月18日までの1週間は4.82人となっている。
県医療調整本部 松澤知 医師:
新潟県は少し、他県や全国の値とは異なる動きをしている
沖縄では、定点当たりの報告数が全国平均の約5倍に達するなど、第9波の始まりが懸念されているが、新潟県医療調整本部の松澤知医師は、現時点では「新潟が9波の入り口に入ったとは考えていない」と話す。
それでも…
県医療調整本部 松澤知 医師:
自然感染やワクチン接種による免疫が少し落ちてきていて、今後、接触機会の増加とかがこの夏に入って影響を与える可能性がある。新潟県としても、この感染動向をしっかり注視しなければいけない状況にある
(Q.いつ増えてもおかしくない?)
県医療調整本部 松澤知 医師:
そのとおり
国は過去の感染状況などを踏まえると、「夏の間に一定の感染拡大が生じる可能性がある」との見通しを発表。
オミクロン株は季節性インフルエンザと比べ、3~4倍の感染力があり、5類移行後はオミクロン株の「XBB」という型が増加している。
県医療調整本部 松澤知 医師:
これまでのオミクロン株の一つなので、基本的な感染対策や治療法はこれまでと同様
ウイルス禍の3年あまり、新潟県が自治体や病院などと連携し、ワクチンの接種率や経口ウイルス薬の処方率を上げた結果、死者数は全国最少、陽性者も全国で2番目の少なさとなった。
県医療調整本部 松澤知 医師:
大変ではあったが、オール新潟の体制を築くことに協力してくれた皆さんへ感謝を申し上げたい
5類移行後…ヘルパンギーナの感染増
一方で、5類移行に伴い、その体制にも変化が生まれている。行政が担っていた入院調整は、原則、医療機関同士で行うことに。
県医療調整本部 松澤知 医師:
移行前に講習会を開催し、各診療所・病院の先生にトリアージ力と入院調整力を身につけていただいて、しっかりと医療機関間で入院調整ができている
現状はスムーズに入院調整が行われていると言うが…。
県医療調整本部 松澤知 医師:
感染対策の様式に変化がみられたことで、ずっとマスクをしてきたときよりは、感染が広がりやすくなっている
この状況は、新型コロナウイルス以外の感染症にも当てはまる。
実際、高熱・のどの痛みなどを引き起こす「ヘルパンギーナ」の感染者数は感染対策を徹底していた2020年からの3年間と比較すると、増加傾向にあることがグラフからも分かる。
県医療調整本部 松澤知 医師:
医療資源は新型コロナとそれ以外で分かれているわけではない。特に5類になったことで、通常医療の中にウイルス感染症があって、もちろん感染症だけじゃない、そのほかの医療もある
ワクチン“秋接種”は5歳以上全員が対象
だからこそ今、重要となっているのが一人一人の行動だ。
県医療調整本部 松澤知 医師:
行政の介入は薄れていくが、これまで有効であるとされているマスク・ワクチンの有効性は変わらないので、様々個人が考えて感染対策を行っていく時代に入った
混雑した電車やバスに乗るときや、高齢者・基礎疾患のある人に会いに行くときにはマスクを着用するなど、それぞれが感染のリスクを考え行動することが求められる。
また、有効とされるワクチンの接種についても、5類移行後は12歳以上65歳未満の基礎疾患がない人などはワクチン接種の対象から外れているが、9月1日に始まる「秋接種」は5歳以上の全ての人が対象となり、無料で接種できる。
第9波も懸念される中、感染のリスクを考えた行動・ワクチン接種の検討など、一人一人の選択が重要になる。
県医療調整本部 松澤知 医師:
新型コロナウイルスは今後もなくなることはない。一人一人がうまく付き合っていく必要がある