自転車で地球2周分以上旅するスイス人家族に密着! 2児の娘も“旅”で世界の文化や自然学ぶ「世界が先生」

地球2周分以上を自転車で旅するスイス人の家族が日本を周遊する旅で新潟県を訪れた。長岡市で待っていた出会いと交流に密着した。

自転車で世界中を旅する家族

7月7日、長岡市を訪れたのは、荷物をたくさん積んだ自転車で旅を続けるスイス人のパッシュさん家族だ。

10歳のナイラさんと6歳のフィビーさんに母・セリーヌさん。

母・セリーヌさん(左)/次女・フィビーさん(中央)/長女・ナイラさん(右)

そして遅れてやって来たのが父・グザヴィエさん。

父・グザヴィエさん:
日本をサイクリングできるのは幸せ

父・グザヴィエさん

アウトドア用品メーカーなどの支援を受けながら、自転車で世界中をめぐるパッシュさん家族は5月に大阪を出発。

日本海側を北上して北海道を目指し、その後、太平洋側を通って大阪に戻る日本周遊の旅をしている。

母・セリーヌさん:
これはソーラーパネル

ソーラーパネル

父・グザヴィエさん:
車輪の発電機で充電する

車輪には発電機

通信や地図情報で必要なスマートフォンなどの電源は自給自足。テントや服・食器など生活に必要なものは手分けして全て自転車に積んでいる。

2010年にスイスから自転車で世界を巡る旅を始めた写真家のグザヴィエさんと人類学者のセリーヌさん。

旅の途中でナイラさんとフィビーさんが生まれ、2人の娘と共に自転車の旅を続けて13年になる。

日本各地で講演会を開き、世界を旅する中で感じた自然や文化の多様性と素晴らしさを伝えるパッシュさん夫婦。

父・グザヴィエさん:
車で場所から場所に移動するより、自転車でその間をいくつも止まれるほうが好き

母・セリーヌさん:
私たちは人間の力と可能性を信じている。ゆっくりとした旅でその文化を体験したい

講演会

長岡での講演を企画するなど、パッシュさん家族をサポートしたのは国際交流センターの羽賀友信センター長。

国際交流センター 羽賀友信センター長:
パッシュさん家族は、旅行ではなくて旅をしている。彼らが大事にしているのは、そこに住む人たちに尊敬の念を持って接すること。言語を超えたコミュニケーション力の重要さをよく分かっている

国際交流センター 羽賀友信センター長

講演を聴いた人たちからは、子どもの学校や教育についての質問が出た。

なぜ学校よりも自然を子どもの学びに選んだのかという質問に対して、セリーヌさんは「例えば木に登るとき、危険と安全のバランスを自然が教えてくれる」と答えた。

参加者からは「『自然が教師になる』ということが非常におもしろくて、義務教育だけでは得られないものが手に入るのだなと印象に残った」という声が聞かれた。

一日の移動距離は50kmほど。6歳のフィビーさんが疲れたら母・セリーヌさんの自転車に連結して目的地を目指す。

この日の目的地は、海が自慢の長岡市寺泊。地域の団体「波音」がサップを用意し、まずは寺泊の自然を体感してもらった。

サップ体験

波音 木村勝一 代表:
寺泊の海や自然を体験していただいて、パッシュさん家族に「世界で見てもいいところだね」と言ってもらえるとうれしい

遊びも真剣に楽しむパッシュさん家族。

母・セリーヌさん:
とても楽しい

夕方には焚き火を囲んでの交流会が開かれた。この交流会でも参加者が質問したのは、10歳と6歳の子どもの教育について。

次女・フィビーさん:
世界が先生

参加者:
子どもたちもすでに自転車をこいで、世界を旅しているというのがびっくり。自分だったら、すぐ疲れちゃう

参加者:
生き方は固定概念が結構あるけど、そうじゃない生き方もあるのだなと。おもしろい

「これが生活」終わらない自転車の旅

9日の朝、波音の代表・木村勝一さんの家に宿泊したパッシュさん家族が出発の準備をしていた。

父・グザヴィエさん:
また来ます

波音 木村勝一 代表:
おもてなしするつもりだったけど、パッシュさん家族から色んな学びを得た。まず、話してみれば、何かが始まるのだなとよく分かったので、そういうスタンスで、これから寺泊に来る外国の方と仲良くしていきたい

波音 木村勝一 代表

父・グザヴィエさん:
これが私たちの生活なので、旅をやめたいとは思っていない

これまでにパッシュさん家族が自転車で移動した距離は地球2周分以上の8万7000km。

人の力で地球を旅して世界の自然を感じ、そこに暮らす人と心を交わす。旅に終わりがないのは、パッシュさん家族にとって旅が人生そのものだからなのかもしれない。