Jリーグの“秋春制移行”に雪国のクラブとして「反対」表明 冬季のアウェー戦増など課題山積

サッカー明治安田生命Jリーグでシーズン移行について検討される中、アルビレックス新潟はサポーターとシーズン移行について議論を交わした。この場で、中野幸夫社長は「秋春制」の移行に反対を表明した。

Jリーグが検討する「秋春制」への移行

現在のJリーグの年間スケジュールは、2月後半に開幕し12月の初旬に終わる、いわゆる「春秋制」。これに対し、現在Jリーグが検討しているのが「秋春制」への移行だ。

開幕を8月の初旬にずらし、冬の中断期間を挟んで、5月の終わりから6月の始めごろにシーズンを終えるスケジュールとなっている。Jリーグは早ければ2026年からの移行を検討している。

“降雪期”にも試合 雪国のクラブは…

8月11日、新潟市中央区で開かれたアルビレックス新潟のサポーターカンファレンス。

アルビレックス新潟の中野幸夫社長は冒頭で「新潟という地、そして私どもの立ち位置、それから歴史、それをベースに今後のリーグのあり方がどうあるべきかということを皆さんと一緒に考えさせていただければ」と話した。

アルビレックス新潟 サポーターカンファレンス

議題はアジアチャンピオンズリーグの秋春制への移行に伴い検討されているJリーグのシーズン移行について。

気温が高い時期の試合の減少やシーズンが欧州リーグと一致することでシーズン途中の選手の移籍が少なくなるなどのメリットがある一方、アルビにとって大きな課題となるのが「降雪期に試合を行う」という点だ。

アルビレックス新潟の風間一理事業本部長は「再開が2月10日ごろになるので、キャンプ後も新潟を離れて、シーズンに備えるトレーニングを積む可能性が高くなる」と説明。

キャンプが長引くことによる費用の増加や冬季のアウェー戦の増加など、課題が山積する中で、中野社長は「私はシーズン移行に関しては反対」と表明した。

アルビレックス新潟 中野幸夫 社長

この意見に、「反対だということを聞いてほっとした」「雪国クラブの立場を表明していくことは非常に大切」「反対意見を推し進めるうえで、私たちにできることが何かあれば」と参加したサポーターの多くが賛同した。

中野社長は「私どもから議論の状況を皆さんに正確にお伝えしたいと思っている。それをまた受け止めていただいて、キャッチボールの継続性でご協力を」とサポーターに協力を呼びかけた。

雪国クラブの立場をどのようにリーグに表明していくのか。シーズン移行についてJリーグは年内に結論を出す方針だ。