全国的に記録的な猛暑が続く中、この異常気象が新潟の農家を苦しめている。連日の猛暑に加えて、雨が降らないことで農産物に影響が出ているほか、コメの品質低下も懸念されている。コメ農家は「絶体絶命」と現状を語った。
「絶体絶命」品質への影響心配
「ピンチというか、絶体絶命じゃないか」こう話すのは、長岡市で約20年コメ作りをしている細川寿和さんだ。
コシヒカリを中心に22ヘクタールの田んぼでコメを栽培している細川さん。
「水が足りなくなるのが困るのと、これだけ高温になるので、コメの品質に影響が出るのではないか」と連日の猛暑による影響を心配していた。
コメが実っていく登熟期に高温が続いてしまうと、色が白くなる未熟な粒が出てきてしまうのだ。細川さんは「味はそんなに変わらないと思うが、若干の品質低下は否めない」と話す。
猛暑に頭を悩ませているのは、コメ農家だけではない。
約1カ月雨が降っていない新潟市西蒲区の畑では、猛暑や雨不足の影響で農作物の葉枯れや変色の被害が見られていた。
農家の山本与志夫さんは3日に1度、畑に水をまいて対応しているが、「雨のほうが養分など全然違う。天然の雨のほうが生育がいい」と話す。
「熟成できない」収穫量が減少
水不足を嘆いていたのはブルーベリー農家の斉藤五郎さんも同じだ。
斉藤さんもスプリンクラーで水をまいているが、地下からくみ上げる水の水温は低いことから、「長時間水をかけることができない」と言う。
敷地内にある約200本の木から手作業でブルーベリーを収穫している斉藤さん。粒が小さいことから全体の収穫量は下がる見込みだ。「そんなに熟成できない。もう何でもいいから雨が降ってほしい。全てのところが乾いている」
「今年は小柄」秋の収穫へ不安
新潟市南区で食用菊「カキノモト」を生産する伊勢亀裕二さんは週に2回ほど給水栓を使い、畑に水をためる作業をしていた。
本来、雨が降れば水を張る必要はないという。
10月に収穫を迎えるが、「今年は小柄になっている。収穫量も減るんじゃないか。雨が欲しい…」と嘆いていた。
恵みの雨はいつ降るのか…2022年は記録的な豪雨に見舞われ、2023年は渇水に悩まされている新潟。
農家は異常気象に翻弄される日々が続いている。