【水不足】ニシキゴイの“ため池”にひび割れも 「井戸水が出ない」越冬のための“池あげ”に影響

異常な暑さによって農作物などへの被害が拡大している新潟。長岡市山古志地区のニシキゴイ生産者は水不足により、井戸水が出なくなり、10月の「池あげ」への影響も心配していた。

水不足によりコイ約100匹が死ぬ

「毎日毎日水がちょっとずつ少なくなっている」
こう話すのは長岡市山古志地区でニシキゴイを生産している平沢和寛さんだ。

かんの養鯉場 平沢和寛 さん

7月下旬の梅雨明け以降続いた猛暑と水不足によって養鯉池の水位が大幅に低下。隣接する3つの池のうち、1つの池にポンプで水を集め、コイも集約する対応をとっていた。

池のコイ

平沢さんは山古志地区で約80の養鯉池を持っているが、その一部でこの夏、池の中の酸素不足により、約100匹のコイが死んでしまったと言う。

そして水がなくなった池にはいくつものひび割れが見られた。

池のひび割れ

平沢さんは「何か所もあるので、自分たちでやりきれない。もう重機屋さんに頼んだ池もある」と話した。

越冬のための「池あげ」に影響も…

山古志地区では10月、冬を越すために養鯉池のニシキゴイを引き上げる「池あげ」の作業が本格化するが、水不足によって新たな懸念もある。

例年の「池あげ」の様子

平沢さんが案内してくれたのは、越冬するためのハウスだ。この越冬ハウスのプールに使用する井戸水が出なくなっていると言う。「ハウスに今度水を張るが、いま井戸水は全くない。ここに張る井戸水はない」

越冬ハウスの内部

平沢さんが管理する越冬ハウスは6か所あり、池上げの際はあわせて数百トンの水が必要になるが、「9月の半ば過ぎから今年の稚魚を上げていきたいが、水がたまらないことには上げてこれない…」と嘆いていた。

プールに張る井戸水がない

さらに、数百トンの水をすべて水道水でまかなうと、多額の経費が必要となる。

9月5日午前には待望の雨が降ったが、数分でやんでしまった。

待望の雨も3分でやんでしまう

平沢さんは「あまり大雨にならないで土にしみこむような雨が降ってくれることを祈っている」と、恵みの雨を待ち望んでいた。