創業119年の鈴木食品工業が快挙!
日本一の納豆を作るのは、創業119年となる新潟市秋葉区の鈴木食品工業だ。
最優秀賞受賞の翌日に5代目の鈴木秀知取締役を訪れると「もちろん嬉しいが、それ以上にほっとした」と喜びの声を口にした。
「全国納豆鑑評会」 69社180点が出品
11月9日に長野県で開かれた「全国納豆鑑評会」
会場は2人1組で1分間に納豆をかき混ぜた回数を競う「まぜまぜ選手権」や糸をひいた長さを競う「のびのび選手権」も行われ、盛り上がり見せるが審査は至って真面目!
全国69社から集まった180点の納豆をどのメーカーのものか分からない状態で皿に盛り、審査員15人が糸の引き具合・香り・味などをもとに評価。
その結果、日本一となる農林水産大臣賞に鈴木食品工業の「大粒白糸納豆」が選ばれたのだ!
“大粒白糸納豆”の特長「ほとんど手作業」
日本一の納豆・大粒白糸納豆は、納豆特有の香りが少なく、大豆の香ばしさを感じる商品で、噛めば噛むほど大豆の甘さと香ばしさが口の中に広がる。
鈴木さんに作り方へのこだわりを聞いていると…次々にお客からの電話が鳴り響いた。この日は、工場の前まで納豆を買い求めて訪れるお客もいた。
そんな問い合わせが絶えない日本一の納豆には、北海道産の大豆を使用。大豆の出来やその年の気温によって蒸し加減や圧力をかける時間などを調整しているという。
鈴木さんは、大手メーカーの納豆との違いについてこう語る。「うちはご覧の通り小さい工場で家族経営、ほとんどが手作業。人の力で丁寧にできるので、豆をやわらかめに煮ることができる。商品の納豆になった段階でもやわらかい舌触りになっていると思う」
従業員6人で製造 1週間に1400個が限界…
従業員6人で手作業で作っているため、1週間に出荷できる大粒白糸納豆は1400個が限界…
だからこそ、最優秀賞受賞は嬉しい反面、作れないもどかしさもある。しかし、パッケージなどの資材や原材料価格が高騰していてもお客のことを考え、値段は据え置いている。
親子二代にわたって日本一に!
実はこの大粒白糸納豆は、父・勝さんの代でも日本一の納豆に輝いた経歴もある。
3年前に秀知さんが5代目として跡を継いでから、入賞はしても最優秀賞は逃してきたと言い、今回の受賞への喜びはひとしおだ。「父が大きくした有名にした感覚でいるお客様が多いと思うが、これで何とか私の味もお客様に認めてもらえたらいい」
二代にわたって日本一に輝いた大粒白糸納豆。
昭和から使っている機械で作っていることから、もしこの機械が壊れてしまったら、いま調達できない部品もあり、「いつまで作れるかなあ」と、不安な様子も浮かべる鈴木さん。
それでも、日本一の納豆をより多くの人に届けるため、機械が動く限り、納豆を作り続ける考えだ。「一日一日を大事に納豆の味を守りたい」