“タイヤ交換後”は脱落の危険が…自分で作業するときのポイントは?「ボルトを締める強さは決まっている」

本格的な雪のシーズンを前に済ませておきたい車のタイヤ交換。このタイヤの交換時期に増えるのが、タイヤの脱落事故だ。特に自分でタイヤ交換をする際には、十分な注意が必要となる。タイヤ交換時の注意点を取材した。

タイヤ交換に注意「脱落寸前の車も…」

新潟市中央区のカー用品店では、開店と同時にタイヤ交換の作業が始まっていた。

こちらの店では、この日、一日で18台のタイヤ交換の予約が入っているほか、飛び込みの依頼も想定し、整備スタッフが手際よく交換作業を進めていた。

オートバックス 新潟中央店(新潟市中央区)

店によると、11月に入ってからタイヤ交換の依頼が徐々に増え、多い時で一日30台の予約が入る日もあるという。

タイヤの事故をめぐっては11月14日、札幌市で軽自動車の前輪が外れ、歩いていた4歳の女の子に直撃する事故が発生した。

事故原因は捜査中だが、警察の調べで、車とタイヤを固定するナット5個すべてが外れていたことが分かっている。

前輪が外れる事故(札幌市)

国土交通省によると、車輪の脱落事故は昨年度140件発生していて、このうち半数以上がタイヤ交換をした1カ月以内に事故が発生。

また、車の所有者自身でタイヤを交換したケースも半数を占めるという。

こちらの店でも、実際に客が自分で交換したタイヤを整備のために見ると、危険な状態である事が少なくないという。

整備スタッフは「ボルトが緩んで脱落の寸前くらいで来店する方もいる」と話す。

正しいタイヤの取り付け方は?

では、タイヤの脱落を防ぐため、どのような点に注意が必要なのか。

タイヤを取り付ける際は、まずジャッキアップをした状態でナットを仮締めする。この時、締める強さが均一になるよう、対角線上のナットをタイヤのがたつきがなくなるまで2~3回に分けて締める。

その後、車体を降ろし、同じように数回に分け、本締めをしていく。最後に体重をかける程度の強さで締め付けるのがポイントだ。

整備スタッフは「4つや5つのボルトを同じ力で締めるというのが基本。車とかメーカーによってそれぞれ決まっているので、ちゃんと決められたもので締めれば安全に走っていただける」と話す。

店では自分で交換する場合、専用の工具を使い、適正な強さでナットを締めるほか、定期的に点検をすることを呼びかけている。

正しいタイヤ交換で安全に冬の備えを進めたいところだ。