多くのバスが並ぶ新潟交通の新潟西部営業所にお目当てのバスがあった。
子どもたちの絵がデザインされたバス。車体だけではなく、バスの中にも驚きの設備が設置されている。それが「こども運転席」だ。
ハンドルやスピードメーターなどが本物と同じように作られた「こども運転席」があるこのバスは、子どもの希望を叶えようと2023年10月に運行を始めた。
新潟交通の山田快多さんは「運転席の後ろの席に座りたがっているお子さんがいたが、ほかに座っている方がいて、座れなくて残念そうにしていたという話を現場から聞いた。子ども優先の特等席を作ってみてはどうかという話があがった」と導入の経緯を話す。
“ドラレコ映像”で運転士目線を体験!
一体どんな仕掛けがあるのか、3カ月をかけて作り上げたという“こども運転席”に座ると…
座席の目の前のモニターには実際のドライブレコーダーの映像が映るため、運転士の目線と同じ映像を見ることができる。運転士の目線を体験できるとあってSNSでも話題に!
山田さんは「こども運転席を目的に乗って来られるお客様が増えた。すごく反響があった」と話す。
子ども心をくすぐる仕掛けはモニターだけではない!
足元にはアクセルやブレーキなどのペダル、そして右横には停車時に使うボタンもあり、運転の疑似体験が細かくできるようになっている。
スケール感と臨場感はここでしか体験できない!
“こども運転席” 大人も座ってOK!
日に日に注目が高まっているという、こども運転席。
山田さんは「周りに小さいお子様がいなければ座っていただいて。大人の方もやっぱり好きな方はいらっしゃると思うので、童心に帰ったつもりで、ぜひ座っていただきたい」と話した。
こども運転席は、その名の通り「子どもが優先」だが、周りに子どもがいなければ大人が座ってもOK!
バスの運転士不足解消につながるか
そこには、バス業界が抱える「運転士不足解消」への思いも込めていると山田さんは話す。
「子どものころは運転士さんになりたかったという大人の方には、そういう気持ちを思い出してもらえるものの一つになればいいなと思うし、お子さんがこれに乗ったから運転士を目指したいというようなきっかけの一つにつながればいい」
こども運転席のあるバスは、土・日・祝日は決まったダイヤで運行しているため、新潟交通のホームページで運行時間を確認することができる。
平日も運行しているが、ダイヤは公表していないため、山田さんは「レア感を楽しんでほしい」と話していた。