【新潟のウワサ】実は『留年坂』!? 青春映画のロケ地にもなった「どっぺり坂」 名前に隠された意外な歴史を調べてみた

あなたの町に謎の地名はありませんか?今回は、新潟市にある不思議な名前の坂について調べてみました。

「どっぺり坂」どんな意味?

新潟市中央区西大畑町の閑静な住宅街にある、平らな新潟市では珍しい坂道。その名も「どっぺり坂」。

福士蒼汰さんと有村架純さん主演で2017年に公開された映画『ストロボエッジ』のロケ地にもなったオシャレな雰囲気が漂う坂だが、一度聞いたら忘れられないインパクトのある名前だ。

これはきっと何かの意味が込められているはず。

語感からイメージすると、登ると疲れ果ててしまう坂…?

それとも、何かネバネバしたものがくっついてしまう坂…?

実は縁起の悪い「留年坂」だった!?

真相を確かめるため、新潟街歩きのプロである新潟シティガイド西大畑エリア長・倉地一則さんに聞いてみた。

倉地さんによると「どっぺり坂」はドイツ語で二重や二倍を意味する「ドッペル」という言葉に由来しているのだという。

自分自身の姿が幻影で見える怪奇現象「ドッペルゲンガー」でも有名な「ドッペル」は英語で言うと「ダブル」と同じ意味だ。
「ダブる」と言えば現在も「留年」を意味するスラングとして知られているが、戦前の学生たちは「留年」を揶揄するスラングとしてドイツ語の「ドッペル」を使っていたという。

繁華街への近道 どっぺり坂は“戒めの坂”

実は、大正から昭和初期にかけて、坂の上には旧制新潟高等学校(現在の新潟大学)があった。

新潟シティガイド提供

学校に隣接して「六花寮」という学生寮があり、学生たちは夜な夜な坂道を下って繁華街の古町にお酒を飲みに行ったり、芸妓さんのところへ遊びに行ったりしていたという。寮から繁華街への最短ルートとして使われていたのがこの坂なのだ。

昭和30年代の西大畑町にあった当時の六花寮

昭和40年代 関屋に移転後の六花寮

ドッペル(留年)にまつわる仕掛けとは?

しかも「どっぺり坂」は留年にまつわる“ある仕掛け”があった。
倉地さんと一緒に段数を数えながら階段を登ってみると全部で59段。

合格点の60段にあと1段足りない…。

「この坂道を使って夜遊びに出かけると合格点に届かず留年する」という戒めの意味から、いつしか「どっぺり坂」と呼ばれるようになったんだとか。

ちなみに寮生たちが夜な夜な坂道を行き交った六花寮は、西大畑町から関屋を経て現在も新潟大学五十嵐キャンパス(新潟市西区)で健在だ。

新潟市中央区にあるどっぺり坂はかつての学生たちの息吹を今に伝えている。

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