高速道で“魚沼”の名称が使われていない理由
魚沼産コシヒカリの産地として知られる新潟県魚沼市。
関越道が魚沼市内を通っているが、市内にあるICの名称は「小出IC」と「堀之内IC」となっていて、「魚沼」という名称は使用されていない。
というのも、魚沼市は2004年に旧小出町や旧堀之内町などと合併して誕生した自治体で、合併前に供用が始まっていた小出ICと堀之内ICの名称がそのまま使われてきたというわけだ。
また、公共交通機関でも「魚沼」という名称はあまり使われておらず、魚沼の名称が使われているのはJR只見線の「魚沼田中駅」のみだという。
関東圏を中心とする10都県在住の人に行った認知度アンケートでは、魚沼市の認知度が「89.3%」だったのに対し、小出ICの認知度は「15.5%」。魚沼市は知っていても、その場所が分かりにくいという声があがっていた。
市長選で公約に!小出ICから魚沼ICへ
こうした状況から魚沼市の情報発信力の向上や地域振興を図るため、内田幹夫市長は関越道の名称変更を公約に掲げ、2020年に市長に就任した。
市は名称変更に向け、地元の商工会議所などと協議会を設立。名称変更の効果などを裏付けるために市民や県外の人にアンケートを実施し、賛成が61%、反対が38%と賛成の意見が多数を占めた。
名称変更に3億円も…経済効果は約16億円!?
そして、2023年12月20日、NEXCO東日本は関越道・小出ICの名称を「魚沼IC」に変更することを発表した。
名称変更には高速道路や国道・県道に設置されている看板などの塗り替え工事などで約3億円の費用がかかるというが、民間の調査会社が行った名称変更における経済効果は約16億円にも上るという。
果たして、インターチェンジの名称変更がどれほどの効果を生み出すのか…名称の変更は2024年秋ごろを予定している。