多頭飼育崩壊の現場でネコ捕獲も…
2月13日、新潟県動物愛護協会などが訪れたのは、新潟市内の多頭飼育崩壊の現場だ。
住宅と数百メートル離れた納屋では、合わせて15匹ほどのネコが確認されていた。
いずれも野良ネコや捨てられたネコでかわいそうに思った住民が餌をあげていたところ、増え続けてしまったという。
新潟市動物愛護センターの細野直志さんは「毎年のように増えては亡くなっているネコがいるということで、繁殖の芽を止めたいという地域の人からの相談が一つ。ネコがいっぱい集まれば、糞尿の苦情というがあるので」とその現状について語った。
多頭飼育崩壊現場でまず行われるのが捕獲だ。餌をつけた専用の捕獲器を使用する。
その後、病院に連れて行き、これ以上数が増えないよう不妊去勢手術を行うが、ここで大きな課題に直面する。
これまでは、不妊去勢手術ができるのは基本的に動物病院に限られていて、費用が高額である上、他の診察なども抱え、一度に多くの手術を行うことが困難な現状があった。
クラファンで不妊去勢手術への資金募る
その問題を解決するために県動物愛護協会などが設置を進めるのが、「ネコの不妊去勢手術専門病院」。
この病院は新潟市動物愛護センター内にある既存の手術室などを使い、週に1日、20匹程度の不妊去勢手術を実施したい考えだ。
公共の施設を使うことで費用は従来の半額以下に抑えられる見込みだ。
ただ、その開設・運営には費用がかかることから、県動物愛護協会などは2月14日からクラウドファンディングを開始。800万円の資金を募ることにしている。
県動物愛護協会の高橋正泰専務理事は「ネコがこれ以上むやみに増えないようになれば、そういった問題も起きなくなると確信しているので、ぜひご協力のほどお願いしたい」と協力を呼びかけた。
飼い主の知識不足や経済的な理由で不妊去勢手術が行われないことで陥ると言われる多頭飼育崩壊。
県動物愛護協会などはこうした取り組みを通して状況の改善を図りたい考えだ。