「怖い…」猛スピードで転がるタイヤ
「タイヤ転がっている、怖い怖い怖い…」
走行する車のドライバーが思わず声を漏らした理由。跨線橋を下り、右折した車の後ろに見えたのは、勢いよく坂道を転がる2本のタイヤだ。
6日午後2時半前、「タイヤが転がっている」と目撃者から通報があったのは、新潟市秋葉区にある跨線橋。
タイヤは、この跨線橋を走っていた10トントラックの左後輪から外れたものだった。
車を運転していたドライバーは恐怖を感じた当時の状況を振り返る。
「すごい速さだったので、自転車でもないよなと思って、よく見たらタイヤだった。やっぱりトラックなので(タイヤは)かなりでかいというか、本当に人に当たったら間違いなく死ぬとか、大事故につながる大きさだったと思う」
幸い、けが人はいなかったが、転がってきたタイヤのうち1本は中央分離帯のポッドに当たり、もう1本は川の中に落ちていた。
一歩、間違えば人の命も奪いかねなかった脱落事故。
札幌市では2023年11月に軽自動車の前輪が外れ、歩いていた4歳の女の子に直撃する事故が発生している。
「突然ガクッと…」 脱落事故の9割が左後輪
今回、10トントラックからタイヤが外れた原因は捜査中だが、トラックの運転手は当時の状況について「突然ガクッとなった」と話しているという。
警察によると、車とタイヤを固定するナットは壊れておらず、タイヤ自体は2023年9月、業者に依頼して交換した冬タイヤだったという。
ただ今回、脱落した左後輪は車両の走行によるダメージが蓄積されやすいとされていて、2022年度に発生した車輪の脱落事故140件のうち、9割が左後輪の脱落だった。
タイヤ交換の時期 改めて注意を
まもなくタイヤ交換の時期を迎えるが、車輪脱落事故の半数はタイヤ交換後1カ月以内に発生。さらに、自らタイヤを交換していたケースが全体の半数を占めている。
自らタイヤを交換する場合には正しい方法で行うことが求められるほか、業者に交換を依頼した場合でも定期的なタイヤの点検が重要だ。