“ながいき川柳”23年の歴史に幕…
商店街の活性化を目指し、2001年から開催されてきた「ながいき川柳」。
毎年、春と秋の年に2回、加茂市商店街協同組合が川柳を公募し、JR加茂駅から約1kmにわたる通称「ながいきロード」に掲示するものだ。
加茂市商店街協同組合の田邊良夫理事長は「『何でやめるんですか』という苦情も来ているし、遠くは九州・北海道から来たこともある」と話す。
県内・県外から親しまれ、23年間で2万以上の独創的な作品が集まった「ながいき川柳」。しかし…
「非常に加茂市の財政状況が厳しく補助金のカットをした経緯から、ながいき川柳がなくなるというところにつながっていて、心苦しい思いはある」と加茂市の藤田明美市長が3月6日の会見で、イベントへの補助金の削減経緯について説明した。
チラシの制作や年間800句ほどの川柳を書くための短冊代などに毎年約300万円の費用がかかっていた「ながいき川柳」は商店街の予算と市の補助金で開催してきたが、補助金なしでの実施は難しく、23年の歴史に幕を下ろすことになった。
「存続させたい」引き継ぎ申し出る人も
田邊理事長は「やりたい気持ちはあるけど、どこかでけじめつけないと」と現在の心中を明かした。商店街のにぎわいづくりに大きく貢献してきたイベントだけに寂しさものぞかせた田邊理事長。
そんな「大切な催しを存続させたい!」と名乗り出たのが、加茂市にある本量寺。
山号の「長寿」と「ながいき川柳」の縁を感じ、田邊理事長に引き継ぎを申し出たという。
大森舜晃住職は「本量寺に任せてもらえるなら、前にやっていた春・秋に表彰するのは踏襲したいというのはある」とその思いについて話す。
“ながいき川柳”に思い馳せ…市長が一句
どのように引き継がれていくかは未定で、寄せられたユーモアあふれる句の数々を商店街に展示する「ながいき川柳」は一旦その幕を下ろすことに。
藤田市長は「書いて見に行くという方もいるが、ご家族が書いたものを見に行きたいと自然と商店街に人が集まる仕組みになっていたのかなと思う。非常に味わい深い句がこれまでたくさんあった」と振り返る。
そんな「ながいき川柳」に思いを馳せて、藤田市長にも一句詠んでもらった。
「加茂のまち 変わらぬ愛に 笑顔咲く」
加茂市の花・雪椿の花言葉「変わらぬ愛」を入れて地域への思いを詠み上げた藤田市長。
再び川柳で街に笑顔を増やすことはできるのか…「ながいき川柳」の行方に注目だ。