砂浜が消えた?護岸もむき出しに…
夏になると多くの海水浴客でにぎわう上越市の鵜の浜海水浴場。
フォトスポットでもある人魚像の前には砂浜が広がっていたが、5月24日に海水浴場を取材すると、その砂浜はなくなり、3メートルほど下のコンクリートの護岸がむき出しの状態になっていた。
変わり果てた海水浴場 原因は“浸食”
なぜこのような状況になったのか…上越市柿崎区総合事務所の石澤親久次長は浸食が原因だという。
「日本海側は冬になると大きな波が来て、強い風も吹く。やはり沿岸というのは浸食がどこも進んでいると思うが、隣接する浜で浸食が進み、それが徐々に海水浴場に進んできた」
6年前に上空から撮影された鵜の浜海水浴場の写真を見ると、中央には砂浜が広がっていたが、冬に吹く北北西の風により、離岸堤が設置されていない場所から波が入ってきて砂浜を浸食。
2024年4月に撮影された写真では砂浜がなくなってしまっているのが確認できる。
2023年10月から砂浜の浸食が見られたため、上越市は2023年の年末に海水浴場のシンボルであった人魚像を待避。
以降も浸食は止まらず、1月初旬には像の台座付近まで砂があったが、1月下旬には台座がむき出しに。
この現状に地元の人は「子どもの頃、広い砂浜だったから、こんなことになるとは考えられなかった」と話す。
45年前に整備された海水浴場の変わり果てた光景に、近接する鵜の浜温泉への影響も懸念する。「これ以上浸食されると、温泉街のほうも被害が出ると思う」
海開きに向け復旧工事始まる
これから迎える夏の海水浴シーズンを前に、上越市は5月23日に砂浜の復旧工事を開始。
約4000トンの砂を10日ほどかけて運び入れ、6月下旬に砂を敷く作業を始める予定だ。
石澤次長は「私ども一生懸命、海開きの準備をしている。特に安全に配慮しながら海水浴場を開設したいと思うので、ぜひ多くの皆さんに来ていただければ」と話す。
2023年に比べて規模は狭まるものの、市は鵜の浜海水浴場を7月13日に海開きする予定だ。