新潟県内の“街の住みここちランキング”トップ5を発表!新潟市中央区・西区を抑え…1位は聖籠町

大手不動産会社が5月29日に発表した「街の住みここちランキング」。新潟県では2023年1位だった新潟市西区や新潟市中央区を抑えて、聖籠町が1位に輝いた。一体、その理由は?町民に話を聞いた。

聖籠町が1位に!要因は“地理条件”

5月29日、大手不動産会社が発表した「街の住みここちランキング」で1位になった聖籠町。

2023年のランキングでは3位だったものの、2024年は新潟駅や繁華街などがある新潟市中央区や新潟市西区を抑え、住民から最も高い評価を受けていた。

聖籠町には大型商業施設や免許センターなどがあり、車通りは多い一方で、駅や商業ビルなどがなく、通りを歩く人の姿は少ない印象を受けるが、この結果について調査を行った麗澤大学の宗健教授は「全国的に大都市近郊で合併をしていない街は住民からの評価が高い傾向にある」と分析。

聖籠町

聖籠町

さらに、宗教授は新潟が車社会であることや地理条件の良さなどが、評価が高かった要因にあると話す。

「聖籠町は高速道路もすぐあるし、もともと、あの地域はほとんど平らなので。車があるし、そういった意味での生活利便性と交通利便性の良さというのが前提としてある。さらに発電所などがある東港工業団地が1970年代ごろに開発されて、その固定資産税の収入が入ってくるため、財政的には非常に余裕のある町」

新潟市・新発田市へのアクセスが良い聖籠町

新潟市・新発田市へのアクセスが良い聖籠町

人口が多い新潟市と新発田市の間に位置する聖籠町は両市へのアクセスが良いほか、東港工業団地があることで町に固定資産税が入り、行政サービスの向上につながっているという。

町民に聞く“聖籠町の良さ”

実際に町民からも聖籠町の暮らしの良さを実感している声が聞かれた。

実家が南魚沼市だという女性は「高速道路がすぐ近くにあるので、帰省するときは本当に便利」と話したほか、職場が新潟市中央区にあるという女性は「バイパスがあるから新潟市などへの移動はすぐにできてありがたい。ふだんは仕事で人が多い場所にいるが、聖籠町は良い意味で田舎なのでゆったり過ごせる」と満足そうな表情を浮かべた。

さらに、聖籠町で50年以上生活しているという80代女性も「私、他は知らないけど満足。聖籠町は海もあるし、加治川もある。加治川の桜は一番きれい」と話したほか、70代の女性は「サクランボ・ブドウにナシなど果物がたくさん豊富にある」と話すなど、交通の利便性だけでなく、自然環境や地場産品についての満足度も高いようだ。

サクランボ

サクランボ

一方、生まれてからずっと聖籠町で生活を続けているという70代男性からは「冬に雪が降る。ちょっと除雪がね…良いところと悪いところがあって、それが悪いところかな」と道路の除雪体制への不満も聞かれた。

力入れる“子育て支援”も要因に

町民から様々な意見が聞かれる中、聖籠町・高松光志副町長は「2023年は3位だが、実は2022年、聖籠町は1位だった。2年ぶりに1位に返り咲けて、町にとって大変光栄なことだと思っている」とランキング1位の受け止めを話し、従来から町が力を入れてきた“子育て支援”も評価されているのではと、1位に返り咲いた要因を振り返る。

聖籠町・高松光志副町長

聖籠町・高松光志副町長

「子育て支援という意味では、最近は他の自治体でも少子化問題に力を入れて取り組んでいるが、従来から聖籠町は力を入れてきたので、そういったところが改めて評価をされているのかなと。色々、自治体間の競走でもあるので、私どものところが一番というのはなかなか言いづらいが、とにかく可能なかぎり子育て支援に力を入れていきたいと考えている」

手厚い支援に「すごく助かる」

聖籠町では物価高などによる給食費の値上げ分を補助金でまかない、各家庭の実質的な負担をゼロにしているほか、2024年度からは0歳~2歳児までの保育料を半額にするなど、子育て支援に力を入れている。

こうした手厚い支援に生後7カ月の男の子を育てる母親は「周りの方から聖籠町が子育てにすごく優しい町というのは聞いていた。町外から移住してきたが、何も不便なく今のところは過ごさせてもらっている」と話す。

一方、札幌市から聖籠町に移住してきたという母親は「自分はけっこう人見知りだが、皆さん、優しく声をかけてくれたり、先生方もすごく親切に相談とかに乗ってくれる。地元が聖籠町ではないので、すごく助かっている。実感としては子どもがすごく多いなと感じている。子どもがいっぱいいるから子育て支援の環境も良くなっているのかなと思うので、これから他の地域からどんどん引っ越してきてくれるとうれしい」と移住をしてきても安心して過ごせているという実体験が聞かれた。

 

また、甲信越居住者を対象に行われた住みたい街ランキングでは、東京23区や長野県松本市を抑えて新潟市が3年連続で1位を獲得した。

人口減少が課題の新潟県。改めて、いま住んでいる街や地元の良さを探してみるのもいいかもしれない。

以下、ランキング結果一覧(大東建託賃貸未来研究所調べ)

【街の住みここちランキング2024(新潟県版)】
1位:聖籠町(去年3位)
2位:新潟市中央区(去年2位)
3位:田上町(去年4位)
4位:新潟市西区(去年1位)
5位:新潟市東区(去年5位)

【住みたい街ランキング2024(新潟県版)】
1位:新潟市中央区(去年1位)
2位:東京23区(去年2位)
3位:新潟市東区(去年6位)
4位:長岡市(去年3位)
5位:横浜市(去年4位)

【住みたい街ランキング2024(甲信越版)】
1位:新潟市(去年1位・3年連続)
2位:東京23区(去年2位)
3位:長野県松本市(去年4位)
4位:長野市(去年5位)
5位:横浜市(去年3位)