雪深いことで有名な新潟県魚沼市。その静かな佇まいの中に、驚きと感動が詰まった美食の世界が広がっていました。今回は、世界最大級の機械がある糀工場で味わう新感覚スイーツと、地元に愛され続けるソウルフード「生ホルモン」をご紹介します。魚沼の食文化の奥深さに触れる旅へ、皆さまをご案内しましょう。
世界が認めた糀の魔法!魚沼醸造の驚きの世界
魚沼市の静かな一角に佇む「魚沼醸造」。一見すると普通の工場に見えるこの場所で、世界最大級の糀作りが行われているとは、誰が想像できるでしょうか。
工場内に一歩足を踏み入れると、そこは糀の魔法が織りなす別世界。巨大な円盤型製麹装置(えんばんがた せいきくそうち)が、まるで雪が降り積もるかのように、ゆっくりと回転しています。
「これが世界最大級の米糀を作る機械なんです。円盤型製麹装置と呼んでいます」と、魚沼醸造の佐藤さんが誇らしげに説明してくれました。「今、中には20トンもの米が入っているんですよ」
その言葉に、思わず目を丸くしてしまいます。20トン!まさに桁違いの規模です。
①お米を水につける→②お米を蒸す→③蒸したお米に糀菌を付着させる→④円盤型製麹装置に入れる→⑤乾燥米糀の出来上がり
糀作りの工程を見学した後は、併設されたカフェスペースへ。ここでは、糀の魅力を存分に味わえる様々なスイーツが楽しめます。
雪が舞い降りる?魔法のような糀スノードロップラテ
カフェで最初に目に飛び込んでくるのは、「糀スノードロップラテ」という不思議な名前のドリンク。注文すると、まるで魔法のように、コーヒーの上に雪が降り積もっていく様子が楽しめます。
「うわっ!本当に雪が降ってる感じ!」思わず声を上げてしまうほどの光景に、周りのお客さんも釘付けになっています。
一口飲んでみると、「ふわっ」と糀の香りが広がり、その後に濃厚な味わいが口いっぱいに広がります。コーヒーの爽やかな酸味と、糀の優しい甘みが絶妙なハーモニーを奏でています。
「豆乳と甘酒がすごくコーヒーと合うんですよ」と佐藤さん。確かに、コーヒーだけでは味わえない深みと奥行きを感じます。
世界が認めた糀の芸術!糀甘酒ソフトクリーム
続いて登場したのは、「糀甘酒ソフトクリーム」。一見すると普通のソフトクリームですが、その味わいは想像を超えるものでした。
「えっ、ちょっと待って。これ、チーズケーキみたい!」思わず二度見してしまうほどの驚きの味わい。糀の香りが、まるでチーズケーキのような風味を醸し出しているのです。
「世界ジェラート大使の柴野大造さんが監修されているんです」と佐藤さんが教えてくれました。世界レベルの味わいを、ここ魚沼で堪能できるなんて!
魚沼のソウルフード!伝統の「生モツ焼き」
糀の世界に酔いしれた後は、魚沼の伝統的な味わいを求めて、地元で愛される「美の屋」へ。ここでは、魚沼のソウルフードとして知られる「生モツ焼き」を味わうことができます。
店内に入ると、活気あふれる雰囲気が漂います。カウンターには、その日仕入れた新鮮なモツが並び、お客さんが自ら焼いて楽しむスタイルが魅力です。
「モツをいっぱい食べるんですよ、この辺りの人はね」と店主が教えてくれました。「養豚が盛んだった地域だから、昔から安くモツが手に入ったんだよ」
注文したのは、ホルモンミックス定食。テーブルに運ばれてきた瞬間、その豊富な品数に驚かされます。モツ煮込み、白モツ、豚のハラミなど、様々な部位が一度に楽しめるのです。
まずは、じっくり煮込まれたモツ煮込みから。口に入れた瞬間、とろけるような柔らかさに驚きます。「こんなにとろとろのモツ、初めて食べた!」思わず声が漏れてしまいます。
続いて、自ら焼く白モツにチャレンジ。鉄板で焼き上げると、香ばしい香りが立ち込めます。「うわ、これ美味しい!焼くとより肉々しさが増すね」
魚沼の食文化、その奥深さに触れて
今回の旅で、魚沼の食文化の奥深さを改めて実感しました。 世界最先端の技術で作られる糀のスイーツから、地域に根付いた伝統のモツ料理まで、その多様性に驚かされます。
魚沼醸造の佐藤さんは「糀の可能性はまだまだ広がっていきます」と目を輝かせていました。一方、美の屋の店主は「昔ながらの味を守り続けていきたい」と語ります。
新しさと伝統が見事に調和した魚沼の食文化。それは、この地域の人々の創意工夫と、食への情熱が生み出した宝物なのかもしれません。
皆さんも、魚沼を訪れる機会があれば、ぜひこの豊かな食文化を体験してみてください。きっと、想像を超える美味しさと感動が待っていることでしょう。