「購入不要 体力回復だけに集中を」貼り紙が40万♡いいね!セブンイレブン一筋45年 オーナーの熱中症体験から生まれた優しさ

今年も厳しい暑さが続く中、とあるコンビニに貼りだされた一枚の貼り紙がSNSで大きな話題を呼んでいます。「体調不良、熱中症と思ったら無理をせず店内で涼んでいってください。気を使って不必要なものの購入は不要です。体力回復だけに集中してください」。この温かいメッセージに込められたオーナーの思いとは何だったのでしょうか。

10年前の恩返し 熱中症体験から生まれた優しさ

NGT48の杉本萌さんが、話題の貼り紙を掲示したセブンイレブンを訪ねました。柏崎市にあるこの店舗に入ると、確かに同じ貼り紙がありました。

話題のツイート

店内で待っていたのは、穏やかな笑顔のオーナー、高橋さんです。「あの貼り紙を貼ろうと思ったきっかけはあるんですか?」という問いかけに、高橋さんは自身の経験を語り始めました。

「私、年甲斐もなくオートバイに乗っていまして。10年前ぐらいに鈴鹿の8耐のバイクレース(鈴鹿8時間耐久ロードレース)を見に行った時に熱中症になってしまいました」

ファミレスの店員さんから温かい対応をしていただいた経験が

名古屋のファミリーレストランで店員さんに「エアコンの吹き出し口の下で横になって休んでください」と言われたことが、今でも忘れられない思い出だと言います。

「恩返しはできないんですが、恩を送ることはできないかなという考えで、張り紙を貼らせていただきました」

高橋さんの言葉には、自分が助けられた経験を今度は誰かのために役立てたいという純粋な思いが込められていました。杉本さんも「これこそ優しさの連鎖ですよね」と共感の言葉を口にします。

細部にまで行き届く気配り カップラーメンのセロハンテープも

貼り紙がSNSで拡散されたことで、実際に来店客は増えたのでしょうか。高橋さんは「はい、おかげさまで増えました。想像以上に反響が大きくて」と笑顔で答えます。

「SNSで取り上げていただいてありがとうございました。これからも皆さんの期待を裏切らないように、一生懸命優しいセブンイレブンを目指して頑張ります」

Xの投稿者”てぃーに”さんありがとうございました

さらに、高橋さんの気配りは貼り紙だけではありませんでした。店内を案内してくれた高橋さんは、カップラーメンコーナーに置かれたセロハンテープを指さします。

「これは、カップラーメンのお湯を入れた後、蓋を止めるための専用のセロハンテープです」

有りそうで無いサービス

一見小さな配慮ですが、お客さんにとっては非常に助かるサービス。「細かいけどすごく助かる」という杉本さんの言葉に、高橋さんは満足そうにうなずきました。

コンビニ一筋45年 セブンイレブンへの思いと今後

高橋さんのセブンイレブンとの歩みは長く、1981年に村上高校を卒業してすぐにセブンイレブンに入社したと言います。

「セブンイレブンの本部に20年。お店を始めて25年です」

最初は村上市にある「セブンイレブン村上猿沢店」をオープンしましたが、売上が厳しく2年間頑張った後、柏崎市に新店舗ができるということで引っ越してきたそうです。柏崎の店で約10年頑張った後、自分で村上猿沢店の権利を買い戻し、現在は息子夫妻が経営しているとのこと。

「今回の張り紙の件で期待を裏切らないように、その期待に応えるように、優しいセブンイレブンにしていこうということは、3店舗の従業員さんに伝えています」

高橋さんの言葉からは、45年間セブンイレブン一筋で働いてきた誇りと、お客さんへの感謝の気持ちが伝わってきます。

一枚の貼り紙から始まった「優しさの連鎖」。高橋さんの思いやりの心は、これからも多くの人に温かさを届け続けることでしょう。