9月6日から開かれた「ぼうさいこくたい」に合わせて、天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが初めて新潟県にご来県された。天皇皇后両陛下も即位前に新潟県へご来県されていた。平成からこれまでの新潟県と両陛下の歩みを振り返る。
「雅子さまフィーバー」に沸いた村上市 — 皇室と新潟の特別なご縁
平成元年、当時の皇太子殿下が新潟県を初めてご訪問になった。その際、殿下は「新潟県では健康で心ふれ合う福祉社会の形成を目指していると伺っております」とお述べになった。
平成5年には当時の皇太子殿下と小和田雅子さまとのご婚約が決定。雅子さまの先祖が越後の国・村上藩士の家系であることから、ゆかりの地である村上市は祝意に包まれ、いわゆる「雅子さまフィーバー」が巻き起った。
当時の村上市民は「本当におめでたい。村上にゆかりのある方でとても嬉しい」と喜びを語っていた。
子どもたちへの温かなまなざし — 両陛下の思いに触れて
ご成婚後、皇太子同妃両殿下(現・天皇皇后両陛下)がそろって新潟県をご訪問になったのは、平成14年4月。国営越後丘陵公園で行われた「全国みどりの愛護のつどい」へのご出席であった。
また、翌年にも「全国農業青年交換大会」の開会式にご出席された。
このご来県の際、雅子さまは新潟県はまぐみ小児療育センターをお訪ねになり、障害のある児童の早期発見や療育に取り組む中核的施設で、優しい笑顔で子どもたちに接しておられた。
当時、はまぐみ小児療育センターで理学療法士として働いていたスタッフは、雅子さまのお振る舞いをこう振り返った。
「たまたま子どもがおもちゃを投げてしまったとき、雅子さまがそれを拾い上げてくださり、『どうぞ』と手渡してくださった。お優しさを感じ感銘を受けました」
飾らないお人柄 — 長岡市「子育ての駅ぐんぐん」での心温まるひととき
令和になり、皇太子殿下は天皇陛下に即位された。殿下の飾らないお人柄を伝えるエピソードが残るのが、長岡市の「子育ての駅ぐんぐん」である。ここは子どもたちの成長と子育ての支援を目的とした多世代交流や子育て支援の拠点施設になっている。
殿下に施設をご案内した当時の施設長はこう語る「非常にあたたかいご表情で、親子で遊ぶ様子をご覧になっていました。穏やかなお人柄にお育ちだと強く感じました」
また「親子の触れ合いタイム」で進行役を務めたスタッフも、「殿下が温かく見守ってくださり、にこやかな笑顔で利用者と一緒になって手を動かしてくださっていたので、その温かな雰囲気の中でいつも通り楽しむことができました」と語っていた。
次世代を担う皇室と新潟のご縁 — 未来につながる絆
平成28年の夏には、当時の秋篠宮殿下(現・秋篠宮皇嗣殿下)と長男の悠仁親王殿下が津南町をお訪ねになり、数日間ご滞在になった。秋篠宮ご一家は悠仁親王殿下の将来のため、各地の歴史や生活に触れることを目的に、夏休みに地方をご旅行になっていた。
当時幼少であられた悠仁親王殿下の御心の中に、私たちの暮らす新潟県の歴史や文化が息づいてくださることは、県民にとってまことに喜ばしいことである。
(新潟ニュースNST編集部)