「核なき世界」願う被ばく2世
経済安全保障やエネルギー問題・核軍縮などをテーマに議論が交わされたG7広島サミット。
開幕した5月19日には、各国の首脳が被ばくの実相を伝える原爆資料館を視察し、慰霊碑に献花した。
父が広島で被ばく 西山謙介さん:
これだけの首脳が集まっている。みんなが「核やめようぜ」と言えば、やめられるはず
サミットの議論の行方を特別な思いで見つめるのは、新潟県長岡市に住む、いわゆる被ばく2世の西山謙介さん。
1945年8月、陸軍の一員だった父・喜代次さんが広島で被ばく。一命を取り留めたものの、西山さんが生まれたのちに57歳の若さで他界。
西山さん自身も、がんとの闘病を強いられた。
西山謙介さん:
一瞬にして焼き殺された被ばく者だけでなく、生き延びた人たちにも塗炭の苦しみを味わわせた原爆がどんなにひどいものか、やすやすとした言葉で語ることはできない
2016年、当時のアメリカ・オバマ大統領が広島を訪問した際も抱いた、核兵器廃絶への期待。
しかし、ロシアによるウクライナ侵攻など、今も核の脅威が続き、「核なき世界」は遠い現状だ。
西山謙介さん:
核抑止という名のもとに、核が拡大してきているのではないか。悲しい限り
こうしたなか、「広島でサミットが開かれる意義を各国の首脳はしっかり考えてほしい」と、西山さんは話す。
(Q.各国首脳に何を感じてもらいたい?)
西山謙介さん:
核は悪魔の兵器だと感じ取ってほしい。そのことが世界に共有されれば、そこが第一歩。核兵器を完全になくすことの第一歩
被ばく地で開かれた初めてのサミットは、核廃絶の機運を高めることにつながるのか…。