震度6強 住宅被害は700棟以上に
5月5日、石川県能登地方を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生し、石川県珠洲市を震度6強の揺れが襲った。
記者リポート:
石川県珠洲市正院町の海岸沿いにある長屋でしょうか、屋根の部分が真ん中から全て落ちてしまっています
この地震では1人が死亡。珠洲市を中心に住宅被害が700棟以上に及んでいる。
珠洲市に住む 泊照子さん:
揺れ方が違っていた。上下と横揺れ。そして、長かった
珠洲市で1人暮らしをしていた泊照子さん(77)。
地震で壁など自宅の壁などが崩れてしまったが、1人では片付けもできず、ボランティアの派遣を依頼した。
泊照子さん:
皆さんに助けていただかないと、本当にどうしようもできない。1人じゃ持てないし、体も歳がいっているから
記者リポート:
1人では撤去の難しい大きな家具など、災害で発生したゴミの運び出しの依頼が多く届いているということです
ボランティアセンターに寄せられる依頼の多くは、地震で出たゴミの片付けなど。
珠洲市に住む 沢村律子さん(76):
1人じゃできないし、家の中を見たらひどかったので頼んだ。1人だと、1カ月も2カ月もかかる
珠洲市は65歳以上の高齢者の割合が52.8%と石川県内で最も高く、高齢者の一人暮らしも全世帯の3割ほどを占めていて、自力での復旧作業が難しい住民も多くいた。
そうした中、被災地には新潟から来たボランティアの姿が。復旧作業にあたる森山慎一郎さんだ。
森山慎一郎さん:
瓦の上部の棟瓦。住人の話だと、2回目の地震で全部崩れた
森山さんが行っていたのは、迅速な対応が必要となる屋根の応急修理。
他のボランティアとともに、地震で壊れ、雨漏りをしていた屋根にブルーシートを覆う作業を行っていた。
珠洲市に住む 中谷照子さん(78):
どう言っていいか分からないほど、うれしい。子どもがいても、屋根は誰でも上がれる場所じゃないでしょ
災害に備え「日頃のつながり大事に」
慣れた様子で作業を行う森山さん。実は長岡市消防本部栃尾消防署に勤める救助隊。ボランティアに参加した次の日は、朝から24時間勤務をこなしていた。
(Q.なぜボランティアに?)
森山慎一郎さん:
北部豪雨で技術系のボランティアの人と知り合うきっかけがあった。屋根に上ったり、重機を用いてボランティア活動をするのは一般の人だと難しい。人手が足りないという現状がある
森山さんは2022年、村上市で発生した水害の災害ボランティアに参加。その際にできた仲間から声がかかり、珠洲市の被災地でも一緒に活動を行ったという。
森山慎一郎さん:
きっかけはボランティアだが、そういったところで輪を広げて、常日頃からつながりを大事にしていくと、有事の際もすぐさま集まってこられるので、横の連携・つながりのコネクションは今後、色んなネットワークを通じて培っていきたい
今回生かされた被災地でのつながり。いざという時に助け合えるか、いつ起こるか分からない災害に備え、日頃からボランティアのネットワークをつくっておくことが重要と言えそうだ。