「公的補助が受けづらい」商店街で13棟燃える火災 復興へ向けてプロジェクト始動【新潟・魚沼市】

9月26日に新潟県魚沼市で発生した火災では、商店街の店舗など13棟を焼く被害が出ましたが、商店街は今、復興に向けた歩みを進めています。
9月26日に新潟県魚沼市で発生した火災では、商店街の店舗など13棟を焼く被害が出ましたが、商店街は今、復興に向けた歩みを進めています。

【記者リポート】
「火災発生から約1週間が経った現場です。燃えた建物の中は、ほとんど骨組みだけとなっています。また辺りには鼻を突くような焦げたにおいが未だに立ちこめています」

火災が発生したのは9月26日の午前3時前。瞬く間に火は燃え広がり、魚沼市の南本町商店街の店舗を含む13棟に被害が出ました。

この火災の発生からわずか5日後の10月1日。商店街や商工会などの有志が立ち上げたのは、「南本町商店街火災再生プロジェクト」

【南本町商店街火災再生プロジェクト事務局(小出商工会) 大野拓也 さん】
「火災が起こったあと、寄付の申し出が市役所などに来ていた」

今回、被害を受けた商店街の5店舗と住宅8棟の再建をサポートしようと立ち上げられたこのプロジェクト。設立と同時に義援金を受け付ける口座を開設したほか、今後はクラウドファンディングも始める予定です。

【南本町商店街火災再生プロジェクト事務局(小出商工会) 大野拓也 さん】
「自然災害ではないので、公的な補助が受けづらい現状がある」

再建のためには火災で燃えてしまった建物のガレキを撤去する必要がありますが、ガレキの量が多く撤去費用も高額になることが予想されています。

【南本町商店街火災再生プロジェクト 稲津厚 会長】
「もうはっきり言います。お金がそんなにあるわけではないので、なんとかみなさんのご厚意を得られるのであれば、そこから更地にして、新たに(商店街を)再建できたら」

こう話すのは今回のプロジェクトの会長を務め、約40年前に商店街が誕生したときからこの商店街で電気店を営んできた稲津厚さん。

【南本町商店街火災再生プロジェクト 稲津厚 会長】
「共にお祭りとかもやってきた最高のよい仲間の商店街だと思う」

地元の人に人気の店が立ち並ぶ商店街は、固い絆で結ばれていたと話します。だからこそ、全ての店が・住宅が再建できるようにと立ち上げたプロジェクト。

中には被害を受けながら4日、営業を再開した花店も

【清花園 杵渕豊 代表取締役】
「天井が一部落ちたり、電気がつかないところもあるが、それでも何とか動けそうなので、一日も早く元気になれるように、何とか店は早く再開しようと思って」

消火の際の放水の影響で天井の一部は落ち、店舗の上にある住宅部分は焼け焦げていました。

【清花園 杵渕豊 代表取締役】
「どの店がかけても商店街って成り立たない。一日も早くみんなのお店が再開できることを願っている」

商店街の向かいには市の生涯学習センターが再来年オープン予定で、新たなにぎわいが生まれることが期待されていただけに、再起にかける思いは強くなっています。

【南本町商店街火災再生プロジェクト事務局(小出商工会) 大野拓也 さん】
「正直私は結構気落ちしていた。皆さんがっくりきてるんじゃないかなと思ったが、こんなんじゃ、へこたれていられないという声があって、それを聞いて救われたというか、かえって勇気づけられた。やらなきゃなという気持ちになった」

被害のあった全ての店舗が再建の意思を示しているという南本町商店街。早期の再建が望まれます。最終更新日:Wed, 04 Oct 2023 19:22:45 +0900