【記者リポート】
「タクシー利用の領収書を受け取りました。こちらに消費税率、アルファベットのTから始まる登録番号が記載されています。インボイスの登録事業者であるということが分かります」
10月から始まった「インボイス制度」。領収書や請求書に消費税額などを明記し、税金の流れを正確に把握しようという仕組みです。
具体的に、どのような変化があるのでしょうか?
通常、例えば会社員がタクシーを利用し、経費で1100円を支払った場合、消費税分の100円が決算時に控除されます。
制度開始後、インボイスに対応した登録事業者への支払いの場合は、これまでと同じですが、インボイス対応していない事業者に支払った場合、消費税分が控除されず、会社の負担が増えることになります。
このことから今後、インボイス非対応の事業者は取り引きが敬遠される可能性が指摘されています。
一方で登録事業者となった場合、これまで年間の売上が1000万円以下で消費税の納税が免除されていた事業者でも消費税を納める義務が生じ、零細事業者などの負担が増えることになります。
【新潟市個人タクシー事業協同組合 阿部政信 理事長】
「とても賛成できない、デメリットだけのインボイス制度だと思う。しかしながら、避けて通れない」
こう話すのは、新潟市の個人タクシー事業者で構成する協同組合の理事長で自身も個人タクシーの運転手である阿部さんです。
実際に、組合に対し、取り引き先からインボイスに対応しているかどうか問い合わせが複数寄せられていますが…
【新潟市個人タクシー事業協同組合 阿部政信 理事長】
「結構、問い合わせは来ている。直接そういうことは言わないまでも『対応していなかったら乗れない』というようなことを感じる」
結果的に、組合では約200人の会員のほとんどがインボイスの登録事業者となりました。
しかし、阿部さんは「国の財政事情を鑑みれば、納税は必要」と制度への一定の理解を示した上で…
【新潟市個人タクシー事業協同組合 阿部政信 理事長】
「本音の部分では、この制度を撤廃してもらいたいと思っている」
新潟税務署によりますと、県内では8月末までに約5万4000の事業者がインボイス登録をしています。最終更新日:Thu, 05 Oct 2023 18:45:44 +0900