今回、新潟でのラストマッチを終えた伊藤選手に単独インタビューを行いました。世界へ羽ばたくマエストロが見据える未来とは?
【伊藤涼太郎 選手】
Q.アルビでの1年半を振り返って
「感謝です」
【伊藤涼太郎 選手(6月11日・サポーターへの挨拶)】
「苦しいときも、うれしいときも、サポーターはずっと僕たちの味方でいてくれました。1年半という短い間でしたがこんなに好きになったクラブはありません」
【伊藤涼太郎 選手】
「J1でなかなか出場経験がなくて、結果を残せなかった自分をアルビは迎え入れてくれて、出場機会を与えてくれて、J1でのプレーもさせていただいた。このような海外移籍のチャンスは、アルビに来ないとつくれなかった」
注目の高卒ルーキーとしてJ1浦和レッズに入団するも、プロの世界の厳しさに直面。レンタル移籍を繰り返す中、訪れた転機が2022年、アルビへの完全移籍でした。
【伊藤涼太郎 選手(2022年1月)】
「絶対にJ1に上げるんだという覚悟を持って来た」
【伊藤涼太郎 選手(2022年10月)】
「自分が勝たせるという覚悟を持って来た」
その言葉通り、試合を重ねるごとに輝きを増し、チームにとって欠かせない存在になっていった伊藤選手。
昨シーズン、9ゴール11アシストの活躍でチームをJ1昇格へ導くと、そのJ1の舞台では開幕からポテンシャルの高さを見せ、月間MVPも獲得。
全国のサッカーファンの注目の的となりました。
【桶屋美圭アナウンサー】
「ゴールやアシストの数字に目がいきがちですが、パスや浮き球やスルーパスに抜ける動きもすごいと思って見ていました。そのあたりのアイデアはどこで養われたのでしょうか?」
【伊藤涼太郎 選手】
「子どものときから、見ている人も楽しいプレーや自分もやっていて楽しいプレーは好きで、海外・日本のサッカーを見ながら『こういうプレーをするんだ』と真似て練習していた」
海外選手を彷彿とさせるその華麗なテクニックやゲームを司る能力から「新潟のマエストロ」とも称された伊藤選手。
大ブレークの要因は「松橋力蔵監督との出会いが大きい」と言います。
【伊藤涼太郎 選手】
「ボールを持ったときのアイデアやシュート・パスは自由にやってくれと言われていたので、攻撃のところでは自分の持っている能力を最大限生かしてくれた監督だった。それが今こうやって海外移籍につながっていると思う」
そんな伊藤選手が海外初挑戦の舞台として選んだのが、ベルギー1部のシント=トロイデン。
かつて香川真司選手や鎌田大地選手も所属した名門クラブです。
【伊藤涼太郎 選手】
Q.色々なオファーがあった中での決断
「まあ、そうですね。まず、第一に自分がステップアップするという面で、すごい自分とマインドがあった」
【桶屋美圭アナウンサー】
「ベルギーというと、アルビサポーターは本間至恩選手とのマッチアップを楽しみにしていると思います」
【伊藤涼太郎 選手】
「至恩から連絡が来た。『おめでとう』というのと『遊んでね』『ご飯連れてってね』と。僕のほうが上なんですけど、すごいベルギー先輩面かましてきて。ベルギーはワッフルが有名じゃないですか、『ワッフルやばい』と言っていた(笑)」
そんな仲の良い2人ですが、来シーズンからは対戦相手としてしのぎを削ります。
【伊藤涼太郎 選手】
「至恩に負けないくらいの活躍をしたいというのと、至恩以外にもベルギーにいる日本人選手だったり、海外で活躍する日本人選手の中でも、やっぱり自分が一番結果を残したいなと思う」
伊藤選手を突き動かすのは、去年のW杯でより強くなったという日本代表への思いです。
【伊藤涼太郎 選手】
「海外の選手が相手でも、しっかりと自分のプレーを出せる、結果を残せるという説得力が一番足りないなと思ったので、『こいつは代表に呼ばざるを得ないな』と思われるくらいの活躍を海外でするというのは、一番大事にしている目標」
チームが苦しい中での移籍は難しい判断だったとも言いますが…
【伊藤涼太郎 選手】
「自分のサッカー人生は一回しかないし、一人の男として、一人のサッカー選手として、もっともっと大きい人間になるには、この移籍の決断というのをどこかのタイミングでしないといけない。これだけ好きになったチームがなかった分、少し寂しい気持ちにもなったけど、やっぱり自分としては、新潟に来たときよりも、さらに大きな覚悟を持って、この挑戦をしたい」最終更新日:Fri, 16 Jun 2023 18:37:45 +0900