“一等米比率”なぜ低下?平年の75%を大きく下回る4%…消費者からは厳しい意見も【新潟】

今年、コメの見た目や水分量で判断される一等米比率を大きく落とした新潟県産米。その要因などについて、専門家による分析を行う研究会を県が立ち上げ、10月30日、初会合が開かれました。
今年、コメの見た目や水分量で判断される一等米比率を大きく落とした新潟県産米。その要因などについて、専門家による分析を行う研究会を県が立ち上げ、10月30日、初会合が開かれました。

【長谷川珠子アナウンサー】
「今年のコメの著しい等級低下の理由は一体何なのか?有識者や関連団体が集まり、意見交換を行います」

30日、新潟大学の教授や農業関係者などが集まり開かれた、今年のコメに関する研究会。

10月15日時点の県産コシヒカリの一等米比率は4%と、平年の75%を大きく下回り、過去最低となる見込みです。その主な理由について…

【研究会】
「梅雨明け以降は、例のない高温小雨。8月には台風などによるフェーン現象が3回発生しております」

出穂期の平均気温が26℃を超えると未熟な粒が多くなると言われていて、平年は26℃を超える日が31日間なのに対し、今年は63日間と、平年の倍以上に達していました。

その影響で、消費者からは食味・食感などについて厳しい意見が寄せられていると言います。

【全農新潟本部 風間秀喜 部長】
「粒が小さくて、白い・やわらかい。食べてみたが、おいしくなかったというコメントもあった」

さらに…

【新潟大学理学部 本田明治 教授】
「海水温が記録的に高い状況を考えると、このような状態が今後、当たり前になりつつあるのではないかと考える」

来年以降も高温・少雨が続くことによる生産者への打撃が懸念された一方で…

【農研機構 石丸努 研究員】
「高温耐性強でブランド力のある新之助を生かして、早生や中生といった作期分散を図り、新しい新之助のブランドを確立していく県の戦略も必要かと思う」

唯一、平年並みの一等米比率となった新之助をきっかけにした新たな品種開発への意見も出されました。

【新潟大学 山崎将紀 教授】
「コシヒカリも続けるだろうし、他の品種でも対応できるのではと思っている。こういうことも暑さを回避するのにできますよと、やり方の候補を提案していきたい」

今後、研究会ではアンケートなどで集めた生産者の声を反映しながら、来年以降のコメの生産に向けた対策を協議していく考えです。最終更新日:Mon, 30 Oct 2023 18:31:15 +0900