一体なぜ、だまされてしまうのか…、犯罪心理に詳しい専門家に話を聞きました。
7月7日、特殊詐欺被害を未然に防いだとして、妙高警察署は妙高市のコンビニエンスストアのオーナー古川正人さんに感謝状を贈りました。
古川さんは6月16日、コンビニを訪れた高齢女性が電子マネーの購入を求めてきたものの、具体的な購入理由を説明できなかったことから詐欺を疑い警察に通報。架空請求詐欺を未然に防ぎました。
【セブンイレブン新井学校町店オーナー 古川正人さん】
「皆さんが安全で快適な生活ができるように注意していただきたい」
一方、県内では未然に防ぐことができなかった特殊詐欺被害が相次いでいて、7月4日には上越市に住む60代女性が実在する通信事業者を名乗る電話に騙され、3カ月間にわたり、80回あわせて約6000万円を振り込んでいたことが分かりました。
特殊詐欺被害は、なぜ後を絶たないのか…?
【新潟青陵大学 碓井真史 教授】
「私たちが冷静な時に聞けば、それはおかしいだろうと疑えるが、犯人はまず冷静さを失わせる。冷静でないときにそれを聞くと、人はだまされてしまう」
こう話すのは、犯罪心理に詳しい新潟青陵大学の碓井真史教授です。
碓井教授は「警察や行政職員など実在する事業者を名乗る相手から危機感をあおる電話がかかってくると、信じ込んでしまうことは不思議ではない」と言います。
【新潟青陵大学 碓井真史 教授】
「警察と聞いただけで多くの人は少し慌てる。そこで事故という言葉を聞くと、さらに冷静さを失っていく」
焦ったり、冷静さを欠いたりする状態に陥ると、人間は本能的に即座に行動を起こす傾向にある言います。
【新潟青陵大学 碓井真史 教授】
「『今すぐ300万円がなければ、とんでもないことになる』と思わせてしまえば、すぐにでも300万円を持ってこようとするのが人間」
人の信じる気持ちを悪用し、金をだまし取る特殊詐欺。
被害に遭わないために、碓井教授は誰からの電話でもお金の話しが出たら、すべて疑うことが一つの対策になると提唱します。
【新潟青陵大学 碓井真史 教授】
「怪しいと思わなくても、お金を送れと言われたら、全部まずちょっと待つ。誰かに相談するということを自動的に考えることが必要」
大切な資産を守るためにも、家族や近所の人など、身近な人と互いに相談しやすい環境をつくることも重要です。
【新潟青陵大学 碓井真史 教授】
「どんなに賢い人でも被害に遭うことはある。だから、私たちは互いに助け合って、良い人間関係を築いていきましょうと考えることが大事」最終更新日:Fri, 07 Jul 2023 18:50:48 +0900