人の顔のような“人面石”は阿賀野市の神社にあるといいます。まず、近くに住む人に話を聞いてみると…
【近所の人】
Q.人面石は知っている?
「全然知らない」
【近所の人】
「人の顔をした石がどうのこうのというのは、何年か前にちらっと聞いたような気がする」
これといった情報はつかめず、人面石があるという神社に行ってみることに。森の中を進むと、神社への入り口がありました。
【長谷川珠子アナウンサー】
「ここからは徒歩で先に進んでいきます。かなり狭くて草が生い茂っています」
恐る恐る先に進むと、立石山神社が見えてきました。
【長谷川珠子アナウンサー】
「あっ!ありました。噂通り、人の顔をした石が整然と並んでいます」
無骨な歯がどこか不気味な石に、実在する人をイメージしたかのようなリアルな石まで、様々な大きさや形の人面石が。
【長谷川珠子アナウンサー】
「数えたら約65体の人面石が並んでいました」
神社の鳥居の横にひっそりと置かれていました。さらに人面石以外の石も。
【長谷川珠子アナウンサー】
「1979年とあるので、だいたい40年前くらい。少なくとも40年前にはここにあったということなのでしょうか」
謎は深まるばかり。手がかりを求めて、石を扱う近くの石材店に行ってみると…
【石材店】
「あれは素人がつくったものだと思う。あれもおもしろいよね」
Q.誰が何のために?
「それは分からない。それは神主さんしか分からない」
神主なら真相が分かるはず、ということで立石山神社の神主に話を聞きました。
【立石山神社 白井大史 神主】
Q.人面石は誰がつくった?
「奉納されたのが波多野透さんという方。当時、合併前の安田町のときの安田財産区議会議員をしていた方」
人面石を作った波多野透さんは先代の神主の友人で、すでに亡くなられているといいます。生前には安田の文化についての町誌を執筆していて、町誌では本人の姿も確認できました。
【立石山神社 白井大史 神主】
「河原に赴いて、自分が気に入った石をいくつか持って帰って、人の顔に見立ててつくって置いている。自分でそれを楽しんで、アーティスト活動のようなことをしていた方」
作品の数が増えたことで、昭和後期に立石山神社に奉納したということです。
また、町誌には波田野さんが安田を愛し、安田の人たちとの絆を大切にしていたことも記されていました。
【立石山神社 白井大史 神主】
「色々な人とのつながりができて、波多野さんの中で(出会った人を)具現化したのがこの石だと思うので、来てもらった方のご縁を結ぶ一助になればと思って、この石を見守っていこうと思う」
地域の歴史を築いた人たちの思いが宿る人面石。地域の豊かな繁栄を静かに見守ってくれているのかもしれません。最終更新日:Fri, 15 Sep 2023 19:08:08 +0900