【原告団長 皆川榮一さん】
「私たちが提訴して、早10年経ちました。本当に長い戦いでございました。この新潟地裁での戦いは、きょうが一応最後となります」
10月19日、新潟地裁で迎えた新潟水俣病第5次訴訟の結審を前に、これまでの裁判の歳月を振り返ったのは、原告団で団長を務める皆川榮一さんです。
国の基準で水俣病と認められなかった男女22人が原告となり、2013年12月に国と昭和電工を相手取り起こした裁判。
国の責任や原告が水俣病と認められるかどうかなどが主な争点となる中、その後151人に増えた原告は長引く裁判で高齢化が進み、19日までに29人が亡くなっています。
こうしたことから、分離結審の形を取って行われたこの日の最終弁論で原告側は…
【原告側】
「1966年1月以降の阿賀野川の汚染は、水俣病発症にならないとした国の主張は誤りである」
1965年1月に昭和電工が操業を終了していたとはいえ、阿賀野川の汚染は続いていたと主張。
一方、国側は「当時はテレビや新聞などでも水俣病の報道があったことから、周辺住民が川の魚を多く食べることは考えにくい」として、国に対する損害賠償請求は存在しないと真っ向から反論しています。
ただ、10年にも及ぶ裁判がようやく結審し、9月には大阪地裁が水俣病の救済の対象外とされてきた128人を水俣病と認定。国などへの賠償を命じたことを受け、原告団は期待を持って判決のときを待つ考えです。
【原告団長 皆川榮一さん】
「きょうの弁論を聞いていると、大丈夫、これは大阪とともに新潟でも勝てるんじゃないかなと」
原告151人のうち47人についての判決は、来年4月18日に言い渡されます。最終更新日:Thu, 19 Oct 2023 18:45:39 +0900