新潟市中央区にある三社神社の境内を進むと…
【長谷川珠子アナウンサー】
「ありました!本当に数えきれないほど大量のカエルが並んでいます」
棚にはカエルの大群が!
【長谷川珠子アナウンサー】
「6段ありますが、棚板が見えないくらいびっしり敷き詰められています」
こちらをじっと見つめていて、今にもゲロゲロと鳴き出しそうな謎の光景です。
【参拝者】
「カエルがいっぱいるなと思った。写真を撮りたい」
さっそく、神社の宮司に話を聞いてみると…
【三社神社 大橋毅 宮司】
「カエルさんのお腹の中におみくじがある」
カエルの正体はなんとおみくじ!カエルの中におみくじが入っていて、多くの参拝者が人形を奉納していくうちにこれほどの数になったといいます。
【子ども】
「めちゃくちゃかわいい」
Q.おみくじは?
「大吉!うれしい気持ちになった」
お正月には500個限定で金のカエルみくじが頒布されましたが、元日には全て売り切れる人気ぶりでした。こうしてあまりに数が増えたため…
【三社神社 大橋毅 宮司】
「支えを入れた。これだけ乗ってくると、この板では厚みが足りなくて下がってくる」
さらに境内を見渡すと、カエルの絵馬や大きなご神像の姿も…三社神社がカエルを崇めるようになったのは、大洪水に襲われた江戸時代に遡ります。
【三社神社 大橋毅 宮司】
「水の中、泥の中で元気に生きている青ガエルに励まされ、村の人たちが我々は人間ではなくて、カエルになって水と戦って村を再建しようと(立ち上がった)」
1807年三社神社のある旧流作場は長雨によって信濃川が氾濫し、田畑が水浸しになったといいます。
その記録は新発田藩の古文書にも残っていて、3万石以上の田畑が犠牲になったと記されていました。
【長谷川珠子アナウンサー】
「江戸時代の地図を見ますと、当時の信濃川は川幅が広く、川に砂が堆積することでいくつかの島ができていました。三社神社はその島の上、この辺りにありました」
そのため…
【新潟市歴史博物館 安宅俊介 学芸員】
「水害そのものも起きやすい環境だったと思う。土地に水が被ってしまって、作物が育たない状態が長く続いたと思う」
こうした厳しい状況だからこそ、村人たちは青ガエルのたくましさに惹かれたのかもしれません。
【三社神社 大橋毅 宮司】
「乗り越えて“善きことにカエル”という、青ガエルの元気さに自分たちを重ね合わせて頑張れた。その気持ちを後世に伝えたい」
三社神社の境内には6匹のカエルのご神像が隠れていて、全て見つけると「幸せを迎える」と言われています。
参拝者の中には能登半島地震からの復興を願う人もいるようです。
【三社神社 大橋毅 宮司】
「カエルさんにお願いして、被害が及ばれた皆さんは一日も早く善ききことにかえって、幸せを迎えていただきたい」
村人を災害から立ち直らせたカエルの姿は200年の時を経た今でも人々の心のよりどころとなっています。最終更新日:Fri, 19 Jan 2024 19:17:50 +0900