新潟県内の沿岸部に津波警報が発令された1月1日の能登半島地震。
【松尾和泉アナウンサー】
「海から直線距離にして1kmも離れていない直海浜地区でも多くの人が津波警報を受けて避難所に向かいました」
上越市柿崎直海浜は海に面した地域。その一角にあるのが、障がい者グループホーム「いんくる柿崎」です。
【山田るみさん】
Q.地震発生時は?
「テレビを見ていた。そうしたら、ガっときたものだから、ここに隠れて」
地震発生当時の様子をこう話してくれたのは、グループホームの利用者で精神疾患がある山田るみさんです。
元日はほかの利用者が帰省していたため、5分ほど机の下に隠れたあと、施設のスタッフとともに車で避難場所に向かったといいます。
【いんくる上越事業所管理グループ 楡井義久エリアマネージャー】
「とっさに津波が来るという判断をして、揺れが収まったあと、すぐ行動に移せた」
素早い行動が取れた背景には、日頃の地域住民とのつながりがありました。
【いんくる 片山大輔 社長】
「近隣の方にお声がけをいただいたこともあり、助けていただいた」
地域の住民から、指定されている小学校にすぐに向かうよう指示があったのです。
【いんくる 片山大輔 社長】
「外から見て、なんの施設だか分からないということだけは避けようと。住んでいたら当たり前にやるような責務というのは積極的に。我々も施設だからやりませんということではなく、参加できるものはできるだけ参加するようにはしている」
村上市から上越市まで県内22カ所でグループホームを運営する「いんくる」。
町内会費の支払いが免除される傾向のあるグループホームですが、いんくるでは全ての事業所で町内会に入会し、地域から孤立しない関係づくりを心がけています。
【地域の人】
「いつも散歩をしていらっしゃるからね」
【山田るみさん】
「皆さん優しくてありがたいなと思っている」
【地域の人】
「別に特別な施設だというふうには考えていない。一つだけの施設が独立して浮いているということではないと思うので、町内としてはみんなと一緒にやっていきたい」
また、年に2回ほど地域住民や消防署などと連携した避難訓練も実施。利用者に災害時の行動などを学んでもらっています。
【利用者】
「いざ災害とかになった時に役立つのかなと思う」
ただ、課題もあります。
【いんくる 片山大輔 社長】
「今後は、スタッフがいない時に大きな災害が起きた場合、今回とはまた話が違うだろうなと想定すると、(体制を)つくっていかなければならないと感じた」
グループホームにスタッフがいるのは午後4時~翌朝9時までで、利用者しかいない時間があります。
【いんくる上越事業所管理グループ 楡井義久エリアマネージャー】
「日頃、訓練はしていて、火災や地震で危険を感じれば外には出ると思うが、出てからどこに避難していいのかというのは、もしかすると日頃はわかっていても災害になるとパニックになり、困る可能性はあるのかなと思う」
だからこそ…
【地域の人】
「地域全員が逃げるということでやっているので、わざわざ、どこの施設だから置いておくというのはない。一緒に逃げたい」
日頃の地域とのつながりが大きな意味を持ちます。
「特別」じゃない地域の一員としてともに地域に暮らす…
【いんくる 片山大輔 社長】
「障害者福祉施設だからというベールに包ませないというのを私たちは働きかけていかなければならないと思うし、周りの近所の方にはご理解を得ていただくようにしていくことがより必要なのかなと思う」最終更新日:Thu, 25 Jan 2024 19:11:35 +0900