原発避難に不安…内閣府などが新潟県内30市町村長に説明も「このままの計画では避難できない」

原子力規制庁が出していた事実上の運転禁止命令が解除されるなど再稼働に向けた動きが進む柏崎刈羽原発。新潟県長岡市では23日、原子力規制庁や内閣府などが県内30市町村の首長に対して説明会を開きました。
原子力規制庁が出していた事実上の運転禁止命令が解除されるなど再稼働に向けた動きが進む柏崎刈羽原発。新潟県長岡市では23日、原子力規制庁や内閣府などが県内30市町村の首長に対して説明会を開きました。

【長岡市・磯田達伸市長】
「避難計画そのものの見直しというのも場合によっては出てくるかなと思っている」

県内30市町村の首長を集めた説明会では、まず原子力規制庁が事実上の運転禁止命令の解除や東電の適格性に問題はないとした判断について説明。参加した首長からは軽微だとしても問題が頻発している東電への県民の不信感はなくなっていないなどとする意見が相次ぎました。

一方、内閣府は、原発おおむね30km圏内のUPZでの原子力災害を含む複合災害が発生した時の対応について説明しました。

【内閣府の担当者】
「安全に避難できる準備を整えてから動くようにそうしないと福島のときには多くの犠牲者を出してしまったと…」

急を要する場合には最終的には自衛隊などの実動組織が救助に向かうとしていますが…

【長岡市・磯田達伸市長】
「実際に能登半島地震があって、その動き全体を見てみると生命を救うための72時間どころか1週間2週間経ってもなかなか(救出の)動きが出てこない中で本当に多くの方が亡くなったり苦しんでおられる

【上越市・中川幹太市長】
「孤立集落が複数出たときに大雪で地震で道路が壊れて原子力発電所が壊れる。これが同時に起こると孤立した人たちを誰がどうやって救うんだと」

ハード面での再稼働に向けた動きが進む一方で、能登半島地震をへて見えた避難の難しさ。

【長岡市・磯田達伸市長】
「このままの避難計画では避難できない、屋内退避もできないことが明らかになった。その認識を共有できたいい機会になった」最終更新日:Fri, 23 Feb 2024 19:03:39 +0900