地下1~3mで“液状化”発生…新潟大学が地盤調査 住宅再建へ重要なデータ収集【新潟市】

能登半島地震で液状化した地域の地盤はどのような特徴があるのか、新潟大学が3月19日日まで新潟市西区の6か所で調査を行いました。被災した地域住民にとって住宅の再建方法を考える重要なデータとなります。
能登半島地震で液状化した地域の地盤はどのような特徴があるのか、新潟大学が3月19日日まで新潟市西区の6か所で調査を行いました。被災した地域住民にとって住宅の再建方法を考える重要なデータとなります。

【松村道子キャスター】
「西区ときめき西の公園。こちらでは土を掘り出すボーリング調査、そして奥の方では地盤の強度を調べるサウンディング調査、1つの公園で2つの調査が同時に行われています」

3月12日から、新潟大学の卜部厚志教授が地盤のタイプが違う6つの地点で行ってきた地盤調査。

【新潟大学災害・復興科学研究所 卜部厚志 教授】
「下の地層のかたさ、どのくらいの地下のものが液状化したのかが(住宅再建の)次のステップとして知りたい情報。今、そういうところが分からなくて、次のステップにいけない被災者がいっぱいいるので」

最終日の19日は、かつて信濃川が流れていた新潟市西区ときめき西で調査が行われました。

【新潟大学災害・復興科学研究所 卜部厚志 教授】
「回転していく力と押す力を油圧で測っている。どのくらい抵抗があるのか、強度が出る」

これは、地下15mまでスクリューを差し込む「サウンディング調査」です。

【新潟大学災害・復興科学研究所 卜部厚志 教授】
Q.(データに)「自沈」という言葉
「自分で沈んでしまう。この調査の棒は回転や圧力をかけなくても、やわらかいと沈んでいってしまうので、それを示している。3m22cmまで自分で沈む。すごくやわらかい。やわらかい砂の層がある」

調査の結果、地下1m~地下12mまでが水を含んだ砂となっていて、このうち3m22cmまでで液状化を起こしていることが分かりました。

こうした土地の場合には、一般的に地下12mまで杭を打つ対策などが考えられるといいます。

【新潟大学災害・復興科学研究所 卜部厚志 教授】
「地下の情報がないと、全体の工事の見積もりとか、どういう狙いで工事をしていったらいいか分からない。これを使って」

【地元住民】
「率直なデータ…」

【新潟大学災害・復興科学研究所 卜部厚志 教授】
「これを見れば、土木の人は分かる」

様子を見に来ていた地元の住民も、対策にはまず自分の住む土地の特性を理解する必要があると考えていました。

【ときめき西2丁目 青海宏 自治会長】
「私たちはこれからもこの地域に長く住まなくてはいけないので、目に見えない地盤・土の中のこと、卜部先生の力などを借りながら全体像をしっかり捉えていくことが必要だと思っている」

卜部教授は4月中旬をめどに今回の調査をもとにした被災地ごとの地盤構造などを報告する予定です。最終更新日:Tue, 19 Mar 2024 19:19:06 +0900