妻子殺傷の男(73)に懲役3年6カ月の実刑判決 被告が当時「心神耗弱だった」と認定【新潟】

去年3月、新潟県三条市の自宅で40代の息子を包丁で刺して殺害し、70代の妻も殺害しようとした罪に問われている男の裁判員裁判の判決公判が20日に開かれ、新潟地裁は男に懲役3年6カ月の実刑判決を言い渡しました。
去年3月、新潟県三条市の自宅で40代の息子を包丁で刺して殺害し、70代の妻も殺害しようとした罪に問われている男の裁判員裁判の判決公判が20日に開かれ、新潟地裁は男に懲役3年6カ月の実刑判決を言い渡しました。

殺人と殺人未遂の罪で起訴されているのは、三条市の無職・阿久津正美被告(73)です。

起訴状などによりますと、阿久津被告は去年3月、新潟県三条市の自宅で40代の息子を包丁で刺して殺害し、70代の妻も殺害しようとした罪に問われています。

今回の裁判では阿久津被告が心神喪失や耗弱の状態にあったかどうか、責任能力の有無などが争点となり、検察側は懲役14年、弁護側は無罪を主張していました。

そして5月20日、迎えた判決公判。新潟地裁の小林謙介裁判長は…

【新潟地裁 小林謙介 裁判長】
「主文、被告人を懲役3年6カ月に処する」

懲役3年6カ月の実刑判決を言い渡しました。

小林裁判長は責任能力の有無について葬儀費用を準備していたほか、犯行日を周囲に配慮して決めるなど「行動を制御する余地があった」と指摘。

その一方で、「心中という極端な犯行を考えた背景には抑うつ症状があり、心中を回避する代替手段を考えられない視野狭さくに陥っていた」などとして、阿久津被告が当時心神耗弱だったと認定しました。

実刑判決に至った理由については「心身耗弱状態であったことは考慮すべきであるものの、刑の執行を猶予することが相当なものとはいえない」としています。

弁護側は本人と相談した上で控訴するかどうか検討するとしています。最終更新日:Mon, 20 May 2024 19:24:50 +0900