病院によりますと、60代の男性患者に対して、2019年11月に耳鼻咽頭・頭頚部外科で咽頭部の疾患の治療を行う前の検査として、上部消化管内視鏡検査を行いました。
その際に、食道に腫瘤が見つかったものの、病理検査では炎症性か腫瘍性かはっきりせず。そのため、咽頭部の疾患の治療が一段落した後に、上部消化管内視鏡検査を再度行うよう内視鏡検査報告書で推奨されていました。しかし、その後、上部消化管内視鏡検査は行われず。
咽頭部の疾患のその後の評価を行うため、今年1月にCT検査を行ったところ、食道壁の肥厚があると指摘。そのため、上部消化管内視鏡検査を行ったところ、食道の腫瘤が進行した形で見つかりました。この間に、患者側から不調の訴えはなかったということです。
病院では、医療安全管理委員会を開き、事故の原因と再発防止策について調査・検討を行った結果、2019年当時の内視鏡検査報告書で、再検査を推奨されていたものの、もともとの咽頭部の疾患の治療に専念していたため、食道の腫瘤についての再検査を失念したという経緯を確認。
患者は現在、手術を含む治療を継続していて、病院側は患者や家族に事実経緯を伝え謝罪。補償についても誠意をもって対応をするとしています。
病院では現在、重要な消化管内視鏡で所見が見つかった場合には、その後実際に治療等が行われたかを確認し、もし治療等が行われていなければ治療等を督促する仕組みが構築されているということです。最終更新日:Fri, 24 May 2024 10:53:26 +0900