負債総額約16億円…地元業界トップクラスの織物染工“見附染工”が自己破産 原材料高騰も価格転嫁進まず

新潟県見附市の見附染工が自己破産を申請したことがわかりました。
新潟県見附市の見附染工が自己破産を申請したことがわかりました。

民間の信用調査会社・帝国データバンク長岡支店によりますと、見附染工は、1980年8月に設立。旧栃尾市エリアの大手染色整理業(当時)であった紺藤整染の見附工場を分社化して設立され、同社と歩調をあわせた運営で、合繊織物、天然繊維、合繊複合素材の染色整理を手がけ、88年5月期には年売上高約24億5100万円を計上していました。

しかし、グループ全体が輸入繊維製品の台頭やアパレル関連の海外生産シフトの影響を受け、業績不振が続いていた紺藤整染が 2002年に経営破たん。見附染工も大幅な赤字を計上し、債務超過に陥りました。

さらに、2004年には水害や中越地震で工場が被災し、設備投資などを目的とした金融機関からの借入金が増大。 ここ数年は繊維関連の市場縮小に新型コロナ禍が加わり、年売上高は8億円程度にまで低下。さらに原材料やエネルギー価格が高騰するなかで、価格転嫁が進まず赤字決算が続いていました。

厳しい資金繰りが続くなか、過去の設備投資や赤字補填などを目的として金融機関から導入した多額の借入金の返済が負担となり、事業継続を断念。 負債総額は変動する可能性があるものの、約16億円を見込んでいるということです。最終更新日:Wed, 31 Jul 2024 11:00:00 +0900