2030年には運転士90人ほど不足?新潟市の“バス交通”維持・確保へ…運転士不足解消や利用促進策について議論

運転士不足や利用者の減少などにより苦境に立たされてきた新潟市のバス交通についてお伝えします。新潟市と新潟交通はおととし、路線バスの維持・確保に向け新たな連携協定を締結。この協定に基づき設置された専門家などによる協議会が1月21日、初会合を開きました。

運転士不足や利用者の減少などにより苦境に立たされてきた新潟市のバス交通についてお伝えします。新潟市と新潟交通はおととし、路線バスの維持・確保に向け新たな連携協定を締結。この協定に基づき設置された専門家などによる協議会が1月21日、初会合を開きました。

■路線バス維持・確保へ…協議会の初会合

【新潟交通 乗合バス部 渡辺健 部長】
「地域交通に関わる多くの皆様から知恵を借りて、この地域交通をいかに維持していくか」

新潟市で1月21日開かれた『路線バスネットワーク関係者協議会』。

路線バスサービスの供給力の減少が見込まれる中、運転士不足の解消や市民の利用促進について関係者や専門家などが議論します。

1月21日の協議会では、新潟市と新潟交通がバス利用の現状や課題について説明。バス交通においては、運転士不足が最大の課題であることなどが説明されました。

【協議会事務局】
「新型コロナ禍における利用減少・担い手不足が深刻化していて、これまでのように交通事業者の自助努力だけに委ねていては、将来にわたって輸送サービスを維持・確保していくことは不可能」

■運転士確保・利用促進策について議論

全国的に減少傾向にあるバスの運転士。新潟交通も例外ではなく、このままいけば2030年には運転士が90人ほど不足する見通しです。

その背景にあるのは、運転士の“高齢化”や“成り手不足”。

【筑波大学 システム情報系社会工学域教授 谷口綾子 委員】
「自衛官は50歳とか55歳で定年する方の職業訓練を選べるらしく、運転者確保に向けた取り組みの一つとして挙げられる」

【市区自治協議会会長会議 大谷一男 委員】
「もっと女性にターゲットを向ければ、女性運転士も増えるのでは」

また、協議会では利用促進策についても話し合われました。

【長岡技術科学大学 環境社会基盤系教授 佐野可寸志 委員】
「りゅうとカード(新潟交通のICカード)はIDで追える。その人たちが施策後、どういう行動をしたかを丁寧に押さえると、施策の効果があるのか、一過性のものなのか分かってくるのでは」

去年には初のバス無料デーを実施し、一定の利用者の増加を確認できたという市と新潟交通。

市民のバス利用促進のきっかけをつくり、路線バスサービスの好循環をつくり出していきたい考えです。

【新潟交通 乗合バス部 渡辺健 部長】
「それをきっかけに次のバス利用につなげていくことが重要かと思う。地域を盛り上げる施策の中で、引き続き、新潟市と連携を取って実施していけたら」

【新潟市 都市政策部 鈴木浩信 部長】
「車に乗れない方も増えてくるので、そういう方を支えるような地域のバス交通・交通ネットワークづくりに取り組んでいきたい」

今年の春にも新潟交通はダイヤ改正を予定していますが、このダイヤ改正に関しても有識者の視点を入れることになります。

これまでは新潟交通内で検討し、ダイヤ改正を行っていましたが、今後はこの日初会合を開いた協議会の委員に意見を求めるということです。

最終更新日:Tue, 21 Jan 2025 18:45:38 +0900