横田早紀江さん「叫ばずにいられない」 有本明弘さんの無念背負い訴え…家族会は“日朝連絡事務所”設置に改めて反対表明

先日、北朝鮮に拉致された娘の恵子さんとの再会を果たせないまま亡くなった有本明弘さん。2月20日、石破首相と面会した被害者家族は、有本さんの無念を背負い、訴えを強めています。
NST新潟総合テレビ

先日、北朝鮮に拉致された娘の恵子さんとの再会を果たせないまま亡くなった有本明弘さん。2月20日、石破首相と面会した被害者家族は、有本さんの無念を背負い、訴えを強めています。

■「叫ばずにいられない」親世代は横田早紀江さんのみに

有本明弘さん

2月15日に亡くなった有本明弘さん。北朝鮮に拉致された娘・恵子さんの帰国を求め長年に渡り奔走していました。

2020年には、ともに戦ってきた妻・嘉代子さんが帰らぬ人に。

【有本恵子さんの父・明弘さん(2020年)】
「言葉が出ない。今は無理、言葉が出ない」

車いす生活となった近年も神戸市から1人で上京し、政府への訴えを続けていました。

20日、支援者の会で有本さんの訃報に触れた横田めぐみさんの母・早紀江さん。

【横田めぐみさんの母・早紀江さん】
「拉致対策室の上の方から『有本さんは申し訳なかった』とお電話があったときに、『何しているんですか』と思わず言ってしまった。『本当に何をしているんですか、こんな長いこと』と。『いや、すみません』とおっしゃっていたが、本当にもう叫ばずにいられないような状況」

家族との再会を果たせなかった人たちを見送るばかりの年月。再会を果たせていない親世代は早紀江さんのみとなり、関係者の焦燥感は増しています。

■横田拓也さん 政府へ「なぜ何もしようとしない」

拉致被害者家族会 横田拓也 代表

20日、家族会と面会した石破首相は有本さんに哀悼の意を示した上で…

【石破首相】
「ご家族・救う会の皆様方の極めて切迫した思いを真摯に受け止める次第でございます」

家族会の横田拓也代表は、有本さんの思いを代弁し、政府の姿勢を質しました。

【拉致被害者家族会 横田拓也 代表】
「なぜ、私たちの必死な叫びは放置され続けるのでしょうか。なぜ、国家は無実の拉致被害者を取り戻すため何もしようとしないのでしょうか」

■“日朝連絡事務所”設置に改めて反対表明

また、石破首相が解決に向け有効との認識を示す“日朝の連絡事務所”設置について、家族会は北朝鮮の時間稼ぎに加担することになると改めて反対を表明したということです。

【拉致被害者家族会 横田拓也 代表】
「元気なうちに会わせてあげたい。そういった連絡事務所を論じている段階ではない、決裁権を持っている首脳同士が面会して意思決定をしてほしいということから、連絡事務所の開設については反対するということをお伝え申し上げた」

トランプ大統領からは「拉致問題の解決に向けた全面的な支持を得ている」と強調する石破首相。

アメリカの協力を得て、石破首相自ら日朝首脳会談で被害者の帰国を実現させることを家族は求めています。

最終更新日:Fri, 21 Feb 2025 19:11:02 +0900