JR米坂線の“復旧案” 地域負担は三セク運営で7.2億円 バス転換で9000万円に JR側が試算示す「どういう公共交通が望ましいのか議論を」

3年前、新潟県村上市や関川村を襲った記録的豪雨で被災し今も運休が続いているJR米坂線。5回目を迎えた復旧検討会議では、第三セクターなどによる鉄道運営で年間最大7.2億円、バスへの転換で年間最大9000万円の地域負担が発生するとの試算が示されました。

3年前、新潟県村上市や関川村を襲った記録的豪雨で被災し今も運休が続いているJR米坂線。5回目を迎えた復旧検討会議では、第三セクターなどによる鉄道運営で年間最大7.2億円、バスへの転換で年間最大9000万円の地域負担が発生するとの試算が示されました。

【記者リポート】
「JR東日本や新潟・山形県の米坂線の沿線自治体関係者が集まっています。米坂線復旧に向けて具体的な対応策は話し合われるのでしょうか」

3月26日開かれたのは、5回目となるJR米坂線の復旧検討会議。

【JR東日本新潟支社 羽中田淳 企画総務部長】
「復旧にあたっては地域の皆様にいかにご利用いただくのか、地域としてどういった公共交通が望ましいかといった観点から、地域における議論を深度化していくにあたっての検討材料として、復旧後の利用促進など地域公共交通の活性化事業をお示しいたします」

2022年8月に県北部を襲った記録的豪雨で被災した米坂線は、今もなお一部の区間で運休が続いています。

これまでの会議で、JR側は利用状況の試算などから復旧後の米坂線を単独で運営することは難しいとし、沿線自治体が土地や施設を保有する上下分離式やバスへの転換など4つの復旧案を提示。

上下分離式では自治体の年間負担額が新潟県側で最大約6億円になるとする試算を公表していて、県はほかの案の負担額についても試算するよう要望していました。

こうした中、JR側は26日、新たに第三セクターへの移行など地域運営の鉄道にした場合は県で年間最大7.2億円。鉄道ではなく、バスに転換した場合には年間最大9000万円の地域負担が発生するとの試算が示されました。

【JR東日本新潟支社 羽中田淳 企画総務部長】
「復旧に当たってはご利用が少ない状況の中で、地域の皆様にいかにご利用いただくのか、地域としてどういう公共交通が望ましいのか、そしていかに持続可能性が高い運営にするかを地域の皆様にご議論いただくことが非常に大切と痛感している」

地域が鉄道を運営する場合には新会社設立など新たな運行体制の構築が課題となる反面、地域主体の運行計画や国からの支援制度の活用ができるとしています。

一方、バスへの転換では、自治体の負担額が抑えられる上に、地域のニーズに合わせた柔軟な運行ルートの設定が可能ですが、運転手不足が深刻化していて、運行事業者の確保が課題になると見られています。

【県交通政策局 太田勇二 局長】
「今年の8月で丸3年を迎えるので、スピード感を持って議論を進めていかなければいけない。これからのスケジュール感も含めて、どう進めていくのかということを議論していかなければいけない」

自治体側がどこまでの負担を許容し、地域の足として何を選ぶのか、豪雨からは今年8月で丸3年を迎えます。

最終更新日:Wed, 26 Mar 2025 19:20:42 +0900