「お菓子」と偽り…劇薬指定の“水酸化ナトリウム”を下級生に食べさせる 皮膚を溶かし失明の恐れも 専門家は“指導”と“管理の重要性”指摘 新潟・五泉市

新潟県五泉市の中学3年生が理科の実験で使用した水酸化ナトリウムを下級生に食べさせ、2人が口の中をやけどしました。専門家は学校での管理の重要性を指摘しています。

新潟県五泉市の中学3年生が理科の実験で使用した水酸化ナトリウムを下級生に食べさせ、2人が口の中をやけどしました。専門家は学校での管理の重要性を指摘しています。

■「お菓子だよ」下級生に“水酸化ナトリウム”食べさせる

五泉市の中学校で問題が発生したのは4月17日。

3年生の生徒が理科の実験で使用した水酸化ナトリウムを紙に包んで下級生2人にお菓子と偽って食べさせたのです。

2人はすぐにはき出しましたが、帰宅後に受診した医療機関で口の中をやけどしていると診断されたといいます。

【記者リポート】
「水酸化ナトリウムをめぐる問題が発生した学校では、生徒の保護者が参加する保護者会が開かれています」

説明会を終えた保護者は。

【保護者】
「(水酸化ナトリウムを)粒で持ち出してそれをお菓子の袋に入れて、『お菓子だよ』と言って渡して、なめさせたと。(Q.納得できる会だった?)納得はできない。通わせるのはちょっと心配」

【保護者】
「とにかく保護者は不安でしょうがないと。先生たちは見守って安全を守りますという感じ」

■劇薬の水酸化ナトリウム 皮膚を溶かし失明の恐れも…

理科の実験で一般的に使用される水酸化ナトリウム。新潟薬科大学の中村豊教授は、「強いアルカリ性で劇薬に指定されている」と説明。

長岡技術科学大学・大学院の斎藤秀俊教授は…

【長岡市技術科学大学・大学院 斎藤秀俊 教授】
「強アルカリは皮膚を溶かす性質がある。特に水酸化ナトリウムは水を吸いやすい薬品。水を吸って、少しヌルヌル状態になった感じで皮膚に触ると、皮膚がだんだん溶かされていく」

さらに…

【長岡市技術科学大学・大学院 斎藤秀俊 教授】
「水酸化ナトリウムが間違って目に入ってしまったといったような場合には、目の失明につながるような、そういった腐食が起こる可能性がある」

水酸化ナトリウムを扱う際には、「素手で触らない」といった指導が必要だと強調。

■実験中に生徒が持ち出す…“厳格な管理”が必要

また、薬品庫に鍵をかける、出し入れの記録を取るなど厳格な管理が求められるといいます。

4月24日の学校側の説明は…

【保護者】
「(Q.管理について学校側に落ち度があるような話は?)ないと言っていた。理科室のちゃんとした場所に保管して」

それでも、実験中に生徒が水酸化ナトリウムを持ち出したことで問題は発生しました。

【長岡市技術科学大学・大学院 斎藤秀俊 教授】
「やはり中学校という教育現場において、その薬品の保管を誰が責任を持つのかということ。これが第一にあるべき」

五泉市教育委員会は警察と連携し、今後、調査結果を保護者に提出するとしています。

最終更新日:Fri, 25 Apr 2025 18:39:28 +0900