
セリに出させる子牛が減少するなど、新潟県佐渡市のブランド牛がピンチを迎える中、NSTのカメラがウシの出産に密着。新たに生まれてきた子ウシが佐渡の畜産業界に春を呼び込みます。
4月25日、佐渡市相川地区にある関岬放牧場で行われたウシの放牧。
ミネラルを多く含んだ牧草が特徴の牧場に繁殖用の黒毛和牛のメス24頭が放たれました。しかし、この佐渡の畜産は今…
【関岬放牧場 石塚順一さん】
「佐渡の畜産がつぶれてしまうんじゃないかと思って。畜産業者が心配しているのは事実」
セリに出される子牛の数が減少、子牛を買い付けにくる業者も減っていて、高千家畜市場の存続が危ぶまれていると言います。こうした中…
【畜産農家 小松滝雄さん】
「何とか頑張っていけばいけるんじゃないかな」
佐渡の畜産業界に明るい話題も。佐渡市相川地区の畜産農家・小松滝雄さんの牛舎ではこの日、子ウシの出産が予定されていました。
日も暮れ、静まりかえる牛舎の中で出産を控えたウシの様子を見守る小松さん。
【小松滝雄さん】
「生まれる状態のときに乳が張ってくる。さっきまであんまり張っていなかったのに、だんだん張ってきた」
獣医師や仲間の畜産農家なども駆けつけ出産を手助け。今回は獣医師の判断で自然分娩ではなく、人の手で子牛を引っ張り出すことに。
そして、日付が変わる直前、ようやく子ウシが誕生しました。
【小松滝雄さん】
「無事に生まれてよかった。先生方にありがとう」
【小松滝雄さんの孫・陽太くん】
「生まれてうれしかった」
人の手をかけるのはここまで。その後は母親が生まれてきたわが子を愛おしそうになめ、スキンシップを図っていました。
そして28日、牛舎をのぞくと元気に立ち上がり、お乳を吸う子ウシの姿が。
【小松滝雄さん】
「これはメス。うちに残さなければいけない。大事な跡継ぎ」
繁殖に期待のかかるメスの子ウシは“さくら”と名づけられました。
厳しい状況が続く中、訪れた春。小さな命が佐渡の畜産業界にかすかな光を運んできました。
最終更新日:Mon, 28 Apr 2025 19:16:47 +0900