
東京電力が再稼働に向け取り組みを進める柏崎刈羽原発。すでに再稼働の準備が整っている7号機のテロ対策施設の完成が大幅に遅れ、10月には設置期限が迫る中、6号機の再稼働を先行させる可能性も出てきています。
【記者リポート】
「6号機の燃料プール、ここに保管されている燃料棒を原子炉に移す燃料装荷が6月始まります」
5月22日、報道陣に安全対策などの取り組み状況が公開されたのは、柏崎刈羽原発6号機です。燃料を移動させる燃料取り替え機の耐震強化など安全対策工事の状況が説明されました。
東京電力によりますと、6号機では安全対策工事がおおむね完了し、6月10日に検査の一環として原子炉に核燃料を入れる燃料装荷を始めることにしています。
燃料装荷の作業は2週間程度を見込んでいて、これに伴う検査が終われば、技術的に再稼働の準備が整うことになります。
柏崎刈羽原発をめぐって、これまで東京電力は7号機の再稼働を優先するとして準備を進めてきましたが、その7号機では新規制基準により、設置が義務付けられているテロ対策施設の完成が大幅に遅れることが明らかに。設置期限の今年10月以降は稼働ができなくなります。
こうした状況の中、テロ対策施設の設置期限が2029年とまだ猶予がある6号機の再稼働スケジュールが注目されますが…
【柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】
「当然のことながら10月に特定重大事故等対処施設の設置期限というのがくるので、現場の安全を考えたときにどうしていくのかというのは、地元のご理解の状況等も踏まえてしっかり総合的に判断をしていく」
稲垣武之所長は22日の会見で「所長としては7号機を先に動かしたい」と自身の考えを述べた一方で、今後の地元同意の行方次第で6号機の再稼働を先行させる可能性も示唆しました。
一方、その地元同意をめぐって、県民の意見を見極め自らの判断を示すとしている花角知事。
21日は意見集約の方法の一つとする市町村長との意見交換として、ブロック別の懇談会を開始。魚沼地域の首長と原発再稼働の是非について意見を交わしました。
【花角知事】
「ほかの首長さんとも話をしていく中で、従来から申し上げている公聴会、あるいは県民意識調査の設計。準備を進めて最終的にそれらを総合していきたい」
再稼働に向けた準備が着々と進む中、地元の判断の行方は果たして…。
最終更新日:Thu, 22 May 2025 19:16:46 +0900