ミニ新幹線化?信越線を改良?新幹線通らない“新潟~上越間”のアクセス改善へ議論

上越新幹線と北陸新幹線が通っている新潟県。一方で、両新幹線の狭間となっている長岡駅と上越妙高駅のアクセス改善を図ろうと、県の検討委員会が6月23日に開かれた。会合では「ミニ新幹線化の案」と「信越線を改良する案」が出され、それぞれについて議論が交わされた。

「新幹線では行けない」新潟~上越間のアクセスは

2023年3月で開業8年を迎えた北陸新幹線。

これにより、新潟県内には上越妙高駅と糸魚川駅が開業し、上越地域から北陸方面への移動時間が短縮された。

北陸新幹線

その一方で、新潟市と上越地域との交通利便性は相対的に低下。

新潟市と上越地域を直接つなぐ新幹線は通っていないため、車であれば北陸自動車道経由で1時間半ほど。電車であれば、新潟駅から上越市の直江津駅まで信越線の特急でも1時間半以上かかる。

ミニ新幹線化? 信越線を改良?

新潟市と上越地域のアクセス改善を目指そうと、6月23日、高速鉄道ネットワークのあり方検討委員会が開かれた。

高速鉄道ネットワークのあり方検討委員会

会議では、「長岡駅から上越妙高駅をミニ新幹線化する案」と「信越線にトンネルを設置して改良する案」について議論された。

ミニ新幹線化する案は、実現した際に、上越妙高駅~直江津駅間で工事による運休が3~4年想定されることや、貨物船ダイヤへの影響などが課題として挙げられた。

上越妙高駅

信越線を改良する案は、曲線の多い線路でトンネルを整備して直線にすることで時間の短縮が図れる一方、工事費に対して時間短縮効果が低いのではないかという指摘が委員からあった。

2つの案以外にも幅広に検討へ

委員会では今後、費用や短縮時間などそれぞれの案のメリットとデメリットをまとめ、工事費や工期などとともに精査していく方針だ。

県交通政策局の太田勇二局長は、「今回の委員会でも2つ以外の案を含め、幅広に検討した方がいいのではないかという意見が出た。精度を上げるような作業をしていきたい」と話し、8月~9月にかけて改めて委員会を開催する方針を示した。