山奥の神社に60体以上の“人面石”!? 真相を探ると…「作ったのは先代の神主の友人」

様々な表情の人の顔をした石が新潟県阿賀野市の神社に並んでいると旧ツイッターXで話題となっている。一体誰が何のために並べたのか…その真相を探った。

神社に並ぶ謎の“人面石”

人の顔のような人面石は、阿賀野市の神社にあるという。近くに住む人に話を聞いてみると…

近所の人:
全然知らない

近所の人:
人の顔をした石がどうのこうのというのは、何年か前にちらっと聞いたような気がするんだけど

これといった情報はつかめず…人面石があるという神社に行ってみることに。

森の中を進むと、神社への入り口があった。車を置いて徒歩で先に進んでいくが、かなり狭くて草が生い茂っている。

立石山神社

先に進むと、人面石があるという立石山神社が見えてきた。すると、神社の鳥居の横に人の顔をした石がひっそりと置かれていた。

無骨な歯がどこか不気味な石に…

実在する人をイメージしたかのようなリアルな石まで…様々な大きさや形の人面石が並んでいた。

その数は65体。さらに人面石以外にも1979年と掘られた石も見られた。

石には「1979年」の文字

謎は深まるばかり…手がかりを求めて、石を扱う近くの石材店に行ってみると。

石材店:
あれは素人が作ったものだと思う

(Q.誰が何のために)
石材店:

それは分からない

人面石に込められた地域への思い

「神主さんしか分からない」ということで、立石山神社の神主に話を聞いた。

立石山神社 白井大史 神主

(Q.人面石は誰が作ったもの?)
立石山神社 白井大史 神主:

奉納されたのが波多野透さん。合併前の安田町のときの安田財産区議会議員をしていた方

波多野透さん

人面石を作った波多野透さんは先代の神主の友人で、すでに亡くなっているという。生前には安田の文化についての町誌を執筆していて、町誌では本人の姿も確認できた。

波多野さんが執筆した町誌

立石山神社 白井大史 神主:
河原に赴いて、自分が気に入った石をいくつか持って帰って、人の顔に見立てて作って置いている。自分でそれを楽しんで、アーティスト活動のようなことをしていた方

作品の数が増えたことで、昭和後期に立石山神社に奉納したという。

また、町誌には波多野さんが安田を愛し、安田の人たちとの絆を大切にしていたことも記されていた。

立石山神社 白井大史 神主:
色々な人とのつながりができて、波多野さんの中で出会った人を具現化したのがこの石だと思う。来てもらった方のご縁を結ぶ一助になればと、この石を見守っていこうと思う

地域の歴史を築いた人たちの思いが宿る人面石。地域の豊かな繁栄を静かに見守ってくれているのかもしれない。