食事に“誘われたい”新入社員と“誘いたい”先輩社員…それぞれの悩み解消へ会社が“ランチ代”負担する取り組みも!新潟

新年度が始まってから1カ月。街の人からは先輩社員と新入社員の距離感に対し、様々な声が聞かれました。こうした中、新入社員が先輩社員をランチに誘うとランチ代を会社が負担するというユニークな取り組みを導入している企業を取材しました。

新年度が始まってから1カ月。街の人からは先輩社員と新入社員の距離感に対し、様々な声が聞かれました。こうした中、新入社員が先輩社員をランチに誘うとランチ代を会社が負担するというユニークな取り組みを導入している企業を取材しました。

■「食事に誘いづらい」新入社員・先輩社員の距離感

多くの通勤客が行き交う新潟駅前。

【記者リポート】
「コンプライアンスの強化に取り組む企業が増えてきている中、街の人は先輩社員と若手社員の距離感について、どのような感想を持っているのでしょうか」

【街の人(20代)】
「すごく仲が良い、一緒にご飯も行く。みんなも『行きたい』と言ってくれて、何人かとしょっちゅう行っている」

【街の人(50代)】
「たまに『どこか食べに行こう』とか、お互いに何となく話が盛り上がる。(若手社員と)壁はあまり感じない」

新入社員を迎え1カ月が経つ中、「仲が良い」と答える人がいる一方で、30代以上の先輩社員から聞かれたのは「新入社員を食事に誘いづらい」という悩みです。

【街の人(30代)】
「断られて嫌な感じが出たら、極力声はかけない。空気を読むようにしている」

【街の人(30代)】
「最近このご時世なので、やっぱり誘いづらいというのはある。タイミングで後輩も行ってくれるというときは行くようにしている」

【街の人(60代)】
「かなり年が離れていると難しい。意識的なギャップとかもあるし、何を求めているのか、どれだけの関わり合いを持ちたいのか、なかなか分からない」

実際に、この春入社したばかりの新入社員からは…

【新社会人】
「うれしい気持ちもあるが、ちょっと面倒くさいなというのもある」

その一方で、新入社員の中にも「食事に誘われたら行きたい」と考える人は少なくないようです。

【新社会人】
「1回だけ食事に行った。(誘われたときは)うれしかった」

【新社会人】
「(誘われたら)うれしい。僕だったら行く。機会があれば(食事に)行きたい」

【新社会人】
「(面倒くさい気持ちは)ない。仲良くなれる機会だと思って、どんどん参加したい」

【新社会人】
「仲良くなりたいし、先輩が1年目の時にどうやって過ごしていたかとか、そういう機会に聞きたい」

“誘いたい”先輩社員と“誘われたい”新入社員。互いに距離の詰め方に苦心しているようです。

■“距離感”の悩み解消へ…会社が“ランチ代”を負担!

こうした中…

【記者リポート】
「こちらの会社では、先輩社員と新入社員の距離を縮めるため、ランチを利用したある取り組みが行われています」

マーケティングを行う長岡市の企業では、新入社員が先輩社員をランチに誘うと、その代金を会社が負担する制度を導入しています。

【グローカルマーケティング 森本寛子CCO】
「より多くの人と多くのコミュニケーションをとってもらうために、誘いやすくする工夫の一つ」

一般に、5月になると慣れない環境などに悩み、離職する人が増加する傾向にあるため、その対策の一つとして導入されたこの制度。

誘い方に制限はなく、新入社員は自分の好きなタイミングで先輩社員を誘うことができます。

【入社2カ月 近藤俊樹さん】
「ランチに行くのは1対1。一番距離を縮められる機会。話したことがない方と仲良くなりたいという気持ちが強く、誘った」

【入社12年目 堀美穂さん】
「業務の話しか会社ではしていないので、プライベートの話ができるのは飲み会やご飯のとき」

部署が異なるため、この日が仕事以外で2人で話す初めての機会。

お弁当を買いに行く道中では会話にぎこちなさがありましたが、食事が始まると徐々に2人の距離は縮まり、会話が弾みます。

新入社員が先輩社員を誘うことで先輩のランチ代も会社負担となるため、おごる・おごられるなど金銭面の心配がないのもこの制度の利点です。

ランチを終えた2人に話を聞いてみると…

【入社2カ月 近藤俊樹さん】
「楽しかった。普段話すことがなかったからこそ、堀さんのことを結構知ることができたと思う。きょうが最後ではなく、また誘う」

【入社12年目 堀美穂さん】
「一緒に(お弁当を)買いに行ったときと、終わったあとの表情を見ると、少し心を許してもらえたかなと」

新入社員・先輩社員それぞれが距離の縮め方に悩みを抱える中で、新たな制度や取り組みで悩みを解消することが求められているのかもしれません。

■“五月病”防止へコミュニケーションを重視する傾向も

フードデリバリーサービスを展開する企業が20歳以上を対象に実施した社内コミュニケーションなどに関する調査では、回答者の3割以上が「五月病のような症状を感じたことがある」と回答。

その原因として、20代では「連休明けの仕事が忙しかった」「慣れない職場で不安だった」に次いで、「上司とのコミュニケーションがうまくいかなった」が多くなっています。

五月病を防ぐための取り組みとしては、フレックス勤務・リモートワークという勤務体制への要望のほか、上司や同期・同僚とのコミュケーションを増やすなどコミュニケーションを重視する傾向もあるようです。

理想のコミュニケーションの形として、20代・30代の回答では「上司・先輩社員などから積極的に話してもらう」ことに加え「ランチに一緒にいく」などコミュニケーションの場の設置を挙げる声も多いようです。

最終更新日:Thu, 01 May 2025 19:22:25 +0900